2010年2月のIntelとNokiaによる「MeeGo」プロジェクト発足から1年、ここにきてMeeGoを搭載したタブレットやネットブック登場の噂が加速している。これら製品は今春リリース予定のMeeGo 1.2を搭載し、Oak TrailベースのAtomシステムを採用して今年第2四半期にも製品提供が開始されるということだ。モバイルOSが次々と出揃うなか、後発となるMeeGoがどのような展開を見せるかという点でも興味深い。

まず関係者の話として報じているのがPCWorldで、同OSを搭載したタブレットとネットブックが第2四半期から出荷が開始されることになるという。搭載OSのバージョンは1.2になるとみられ、現状のスケジュールから判断して4月中のリリースが可能だとみられる。Intel自身はこの出荷計画についてコメントしていないものの、ASUSやAcerなどがMeeGoサポートを過去に表明しており、これらベンダーから対応製品が出てくる可能性が高いようだ。MeeGoはもともとIntelの「Moblin」とNokiaの「Maemo」という2つのLinux OSプロジェクトを組み合わせたものであり、Nokiaが製品リリースの中心にあるとみられていた。それよりは幾分か広いサポート体制となるようだ。

また今回の話題に対して、MeeGo 1.2搭載のタブレットが6月に発表されるとより具体的な話を紹介しているのがFudzillaだ。Fudzillaでは、これら製品の実際の出荷は第3四半期になるとみており、IntelのアプリストアであるApp Upのタブレット対応版も同時期よりスタートすることになるという。このように6月という発表時期と台湾ベンダー側の声を総合すれば、MeeGoデバイスのデビューは同月開催のComputex Taipeiの時期に重なるのが有力のようだ。

改めてMeeGo戦略について振り返ると、IntelにとってはAtomプロセッサの拡販、Nokiaにとっては他社との差別化ポイントにある。MeeGoをベースにAtomプロセッサの実力を見せることで、スマートフォンやタブレット市場でARMの後塵を拝している状況を改善することがIntelの狙いだ。FudzillaによればOak Trailベースのリファレンスマシンの配布を今年3月に開始し、Intel自身はMoorestownの後継にあたるMedfieldを今年2月にスペインのバルセロナで開催されるMobile World Congress 2011で発表する計画だという。今回のタブレットやネットブックはOak Trailベースのため直接リンクしないが、MeeGoとの何らかの関わりについても考えられる。またNokia自身がMeeGoベースのタブレット開発を進めている話題もあり、今後どのようにこれらピースが絡んで皆の目の前に出現するのだろうか。