1月27日、東京・原宿のニコニコ本社でニコニコミュージカル第3弾『ニコニコニーコ』の制作発表会が行われた。プロデューサーの片岡義朗氏氏、脚本・演出・音楽を手がける湯澤幸一郎氏のほか、主演のニーコをはじめとする出演者が勢ぞろいし、舞台への意気込みなどを語った。

前列左から明坂聡美、吉田仁美、ニーコ、稲村優奈、チャン・リーメイ。後列左から庄子裕衣、寺崎裕香、宮原理子、國分優香里、大谷美貴、國立幸

ニコニコミュージカルは、ドワンゴが運営する動画投稿サイトニコニコ動画で生中継が行われる個性的なミュージカル。

昨年12月にはホリエモンこと堀江貴文氏が主演で話題となった第1弾『クリスマス・キャロル』が、そして1月の初めにはニコニコ動画出身のアーティストによる第2弾『ニコニコ東方見聞録』が公開され、ネットで話題を呼んでいた。

その第3弾となる『ニコニコニーコ』は、人気声優を中心とした11人の女性によるミュージカル。主演のニーコはファッション誌のモデルのほか、アニメ声優、ロック歌手など多彩な顔を持つマルチアーティストである。

ここまですべてのニコミュでプロデューサーを務める片岡氏は、今回発表となった『ニコニコニーコ』について、「見てのとおり、出演者は全員女性です。ぼくは今まで男ばかりの現場が多かったので、若い女性に囲まれるミュージカルを作りたかったんです(笑)」と着想のきっかけを冗談まじりに説明。「このメンバーのほとんどは僕がプロデューサーを務めたとある人気アニメ番組の声を担当された方々で、現場はとても仲良く弾けた雰囲気でした。それがそのまま舞台に置き換えられないかなと。とくに女子中高生に来てほしいですね」とコメントした。

片岡氏によると第一弾はネットとリアル合わせて5000人弱、第二弾はリアルで2595人、ネットで4460人が観劇したのだとか

今回も湯澤氏には毒のある笑いを期待したい

また、『クリスマス・キャロル』に引き続き、脚本・演出・音楽を担当する湯澤氏は、「第1弾では出演もしていて大変だったのですが、今回はスタッフワークに専念できるのでより濃密な舞台が作れると思う」と述べ、「残念なのはメンバーと気心が知れすぎていてアバンチュールが期待できないこと(笑)」と出演者との仲の良さを感じさせるコメントで会場を笑わせた。

そして、本作の主人公であるニーコ・ニシハギウスを演じるニーコは、「ニーコの半生をリアルに、そしてファンタジーチックに描いていただけるということで、思春期真っ直中の10代の女の子に特に見ていただきたいです。舞台を見て『こんな風に生きていいんだ』とか『女の子ってこんな楽しんだ』って思ってもらえれば」と舞台初主演への意気込みを示した。

個性的という言葉がこれほどしっくり来る人もいないのでは

質疑応答では、片岡氏と湯澤氏に対して「"この子が一番かわいい!"と思う出演者を教えてください」という難しい質問も。

これに片岡氏は「僕は明坂さんと初めて仕事をしたときから天使のように思えていて、一緒に仕事ができるのがものすごく嬉しいです」と照れながら答え、湯澤氏は「私は20代の女性には興味がないので宮原理子ちゃんです」とクール(?)に宣言して会場の笑いを誘っていた。

「明坂さんが天使だとかプロデューサーが言っちゃいけないのかもしれないけど(笑)、でもそれが言えてしまうのがこの現場の温かさ」と片岡氏

また、湯澤氏は「第1弾の舞台を通して感じたことや、今後に生かそうと思ったことは?」という質問に対して、「ネットユーザーの反応に対しての第1印象は"意外とスレてないな"というものでした。これが小劇場マニアとかだと、芝居の見方が相当スレているんですよ。先入観なく見てくださるネットユーザーの反応は、良くも悪くもすごく参考になるものでしたね」との感想。「ただ、それを意識して舞台を作るということはないです。今までどおりちゃんと作って、その上でどんな反応をしていただけるかということですから。コメントによって今後作るものの方向性が変わることはないですね」と自信をのぞかせた。

ニコニコミュージカル第3弾『ニコニコニーコ』の公演概要は次のとおり。公演期間は、2011年3月17日(木)~2011年3月27日(日)、東京・池袋のシアターグリーンで全15公演が予定されている。会場用のリアルチケットは前売り・当日ともに2,500円、オンライン鑑賞用のネットチケット料金は800pt(800円)となる。詳細はこちらを参照のこと