米AMDは1月26日、"Antilles"の開発コード名で知られていた「AMD Radeon HD 6990」のサンプル版カードを公開した。Antillesは、1枚のカードに2基の"Cayman"コアを搭載すると見られているデュアルGPU構成が特徴で、市場投入されればRadeon HD 6000シリーズの最上位モデルになる。
今回のカード公開は、米AMDがシンガポールで現在開催中の業界関係者向けイベント、「AMD Asia Pacific Fusion Tech Day」内にて行われた、米AMD Corporate Vice President and General Manager, GPU DivisionのMatt Skynner氏の講演中の出来事だ。同氏は講演の中で、製品の市場投入時期が2011年の第1四半期中であることも説明している。
補助電源コネクタは8ピン+6ピンの2系統。よく見ると6ピンの方に空きパターンが見えるが、8ピン×2のプランもあるのかもしれない |
写真はRadeon HD 6950などで採用されていた「Dual BIOS Toggle Switch」の説明スライド。今回のHD 6990カードでは実装を確認できなかった |
さて、公開されたカード実機を確認してみると、従来のHD 6000シリーズを上回る大きさと重さになっており、カードの大部分は冷却ユニットと一体型のカバーで覆われている。カード裏面はGPUコア実装部分のトランジスタ等が露出しており、デュアルGPUが確認できる。
映像出力端子はDVI-I×1、Mini DP×4で、マルチ出力のEyefinityに対応していると考えられる。CrossFire用のコネクタは1基。補助電源コネクタは8ピン+6ピンの2系統。ほかHD 6970/6950で見られたDual BIOSの切り替えスイッチは、このカードでは確認できず、正式な製品版で実装するかどうかも不明とのこと。
これは、カタログスペックで横幅が337mmの私物ノートPCの上に、今回のRadeon HD 6990カードを載せてみた写真。300mmちょっとか? 参考までに現行最上位のHD 6970が約270mm、前世代デュアルGPUのHD 5970で約310mmだったので、かなり長い部類 |
ただ、現時点では、スペックなどの詳細情報はベールに包まれており、Skynner氏も、同カードについては「デュアルGPUを搭載する最高の性能のグラフィックスカードだ」としか言及していない。今後、詳細が判明すれば続報としてお届けしたい。