日本銀行は25日、政策委員会・金融政策決定会合において、次回金融政策決定会合までの金融市場調節方針を、「無担保コールレート(オーバーナイト物)を、0~0.1%程度で推移するよう促す」とし、事実上の"ゼロ金利"政策を維持することを決定した。

2010年10月の「展望レポート(経済・物価情勢の展望)」で示した見通しに関しては、2.1%としていた2010年度の実質成長率予想について、3.3%に上方修正した。また、2011年度の実質成長率予想については、10月の展望リポートで示した1.8%から1.6%に下方修正した。

2010年度の消費者物価指数(除く生鮮食品)の予想については、10月予想の0.4%減から0.3%減に上方修正。2011年度についても、「国際商品市況高の影響などから、やや上振れるとみられる」とし、10月予想の0.1%増から0.3%増に上方修正した。

先行きの中心的な見通しに関しては、「世界経済の成長率が、新興国・資源国に牽引される形で再び高まっていくと考えられる」ことなどにより、「わが国経済は、景気改善テンポの鈍化した状況から徐々に脱し、緩やかな回復経路に復していくとみられる」との判断を示した。

日銀では、日本経済がデフレから脱却し、物価安定のもとでの持続的成長経路に復帰するために、「包括的な金融緩和政策を通じた強力な金融緩和の推進」「金融市場の安定確保」「成長基盤強化の支援」という3つの措置を通じ、「中央銀行としての貢献を粘り強く続けていく」としている。