米Appleが現在開発を続けていると噂される次世代iPad (iPad 2)と次世代iPhone (iPhone 5)について、米Qualcommが提供するベースバンドチップを採用するのではないかと米AppleInsiderが報じている。Qualcommは先日発表されたVerizon WirelessのCDMA版iPhoneにベースバンドチップを提供しているといわれるが、これが意味するところは、新型iPadやiPhoneではCDMA/GSM系のデュアルバンドサポートが行われるという可能性だ。
QualcommはCDMA技術の商用化で根幹を成した企業として知られており、W-CDMAなどCDMA技術の特許を多数持つほか、CDMA / CDMA2000の規格を推進している筆頭的存在だ。そのため、CDMA端末を発売するメーカーやキャリアに対してCDMA対応ベースバンドチップやアプリケーションプロセッサなどを提供しており、多くのCDMA端末で同社製チップが採用されている。CDMA版iPhoneでも例外ではなく、Qualcomm製のチップが搭載されているものといわれる。
現在、iPhoneやiPadで採用されているベースバンドチップはBroadcomまたはInfineon (3G部門はIntelが買収済み)製のものだが、これが昨年2009年秋ごろから、Appleが上記2社に代わりQualcomm製チップを新世代デバイスで採用するとの噂が持ち上がっていた。噂の一部はすでにCDMA版iPhone 4として現実のものとなったが、この先もまだQualcomm製チップを採用していくという話が続いている。
AppleInsiderによれば、Qualcommは昨年8月ごろからiPhone専門家のリクルート活動を続けているといい、そのQualcommがCDMA / GSMのデュアルバンドチップの開発に取り組んでいるという噂を紹介している。さらに今年1月中旬には香港のApple Dailyが、2011年内にiPhone 5が登場し、新型のA8プロセッサ採用のほか、Qualcommのベースバンドチップを採用するという話が出てきている。さらにこうした話を確かめようと、Zibriと名乗るイタリアのハッカーが最新のiTunesを解析した結果を発表、この中のデータにQualcommのベースバンドチップにアクセスする仕組みを発見したと報告している。
これらが次世代iPadやiPhoneでのCDMA / GSM両対応を意味するのかはわからないが、少なくとも初期の対象プラットフォームとしてCDMAデバイスが含まれている可能性が高いことは間違いないようだ。