阪急百貨店と阪神百貨店を中核に事業展開するエイチ・ツー・オー リテイリングは21日、東京・有楽町の有楽町阪急を「メンズ館」化し、今年秋に『阪急MEN'S TOKYO』としてリニューアルオープンすると発表した。
同社によれば、有楽町阪急は今年7月頃より一時休業に入る予定で、全面リニューアルを経て、今年秋には新店舗に生まれ変わるという。
ストアコンセプトは「おしゃれにこだわる大人の男のための高感度メンズファッションストア」で、ターゲットとなるビジネスマンや国内外の観光客に向け、男のおしゃれを発信できる店舗をめざす。なお、リニューアルに至った経緯については、「競合環境が変化し、また、ファッションのカジュアル化への対応の遅れなどもあり、売上が低迷している」と説明している。
有楽町阪急のある有楽町・銀座エリアでは現在、「ZARA」「H&M」「フォーエバー21」をはじめとするファストファッションの店舗が続々と進出。一方の百貨店業界も、2007年の有楽町丸井の開業を皮切りに、昨年には銀座三越がリニューアルされ、有楽町西武が閉店するなど、再編が進んでいた。
また、同社では2008年、大阪・梅田に「阪急百貨店メンズ館」をオープン。関西のみならず中国・四国地方に対しても集客力を持ち、年間売上高250億円規模の店舗に成長していた。
こうした事情を踏まえ、有楽町阪急のあるエリアは丸の内、大手町などの日本最大のビジネス街を擁しながら、それに見合ったメンズ業態が不足していると判断。「メンズ館」化による独自のポジションを確立すべく、今回の全面リニューアルに踏み切った。