『ぼくは「村上春樹」と旅をした』(450円)。いわゆる春樹論とは違う視点で村上作品を語る

村上春樹の作品は、だいたいアウェーだ。物語が起きるところはホームだけれど、果てるところはアウェーが多くて、それは距離的なものだったり心理的なものだったりする。ホームに帰ってくる作品もあるが、その風景は最初と少し違って見える。それは旅に似ているかもしれない。

アドベンチャーの販売するiPhone/iPad向け電子書籍アプリ『ぼくは「村上春樹」と旅をした』(飯塚恆雄著/愛育社)は、元音楽プロデューサーの著者が、ニューヨーク・神戸・高松などのハルキ・ワールドを旅しながら、村上作品と音楽を語るエッセイ集だ。

村上作品の中ではよく音楽が流れている。クラシックも多いが、ここで語られるのは主にジャズやモータウン・ミュージック、ビートルズだ。1970年代以降に生まれた世代にとってはやや古くて、よく知らないミュージシャンも多いと思われるが、その楽曲について語った文章を読むことで、それがどう"ひしひしと良い"のかを間接的に知ることができるだろう。

現在、リリースキャンペーンとして特別価格115円で販売中。1月25日以降は通常価格450円となる。