南海電鉄は17日、新型特急電車「12000系」の概要を発表した。4両編成2本の8両を導入し、南海本線と和歌山港線の特急「サザン」として運用する。営業運転開始は2011年秋ごろの予定。

南海特急サザン用12000系

座席を拡げ空気も快適に

車体形状は高野線用の11000系に準じ、塗色はシルバーとブルーを基調とした。「ミナミへ新しい波を起こす」をテーマとして、先頭部から側面上部へつながるブルーのラインと、車体側面下部に丸みを帯びたブルーのライン、オレンジの細いアクセントラインを配した。

大阪湾岸・和歌山へ押し寄せる人と車両の「波」、全国から大阪ミナミへ押し寄せる人の「波」をイメージしたという

客室設備は快適性と利便性を改善。座席幅は25mm拡幅して460mmとなり、ヘッドレストの形状は頭部を包み込むデザインとした。また、座席背面にはAC電源と幅430mm×奥行245mmの大型テーブルを設置。ノートパソコンの使用などビジネスユースにも配慮。快適性を向上するため、大手私鉄で初めてシャープの「プラズマクラスター技術」を搭載したため、ウィルスの作用を抑え、カビ菌の分解・除去が期待できるとのこと。床下機器の空気圧縮機は静音タイプを採用して騒音を低減するという。

バリアフリーへの配慮として、従来車と同様に車椅子スペースを用意。扉の開閉をチャイムと光で予告して安全性を向上した。環境面に配慮した仕様としては、制御装置にVVVFインバータを採用して電力消費の効率化を実現するほか、軽量ステンレス車体によって消費電力を削減。現行のサザン「10000系」と比較して、年間440tのCO2削減を見込めるという。

また、新たに車椅子用のトイレも設置するほか、男性用トイレに無水小便器を設置するとのこと。