昨年末にデビューし、発売1カ月半での出荷台数が150万台と公表された米Microsoftの「Windows Phone 7」デバイスだが、OEMパートナーの1社である韓国LG Electronicsによれば、当初の想定ほど満足な結果を得られていないとの感想が出ている。一方でWP7については今後も「ポートフォリオのバランスを維持」するためにも継続サポートしていく意向を表明しており、しばらくは我慢の時期が続くと考えているようだ。Pocket-lintが同社幹部へのインタビューで報じている

「業界的視点からいえば、われわれは高い期待を抱いていたが、コンシューマからの反応はわれわれの想定未満だったようだ」とLGの戦略計画チームディレクターのJames Choi氏はPocket-lintに答えている。「LGは当初からMicrosoftと密に動いており、(WP7は)非常に大きな可能性があると確信していた。なぜなら、Googleのようなメーカーが提供しているOSは複雑すぎであり、WP7の場合はそこに直感性と使いやすさで秀でている」とその理由を説明している。だが市場の反応は逆で「われわれのような技術系の人間であればあるほど、WP7は使って1~2週間ほどで飽きてしまう」と分析しているようだ。

だがLGは今後もWP7などMicrosoftプラットフォームをプッシュしていく意向だという。その理由の1つとして、プラットフォーム間のバランスをとる必要があることを挙げている。「1つのプラットフォームに依存するのはわれわれベンダーだけでなく、キャリアにとっても不幸な話だ。さらにキャリアからは『Androidデバイスが多すぎる』との苦情も寄せられており、われわれとしては自らのポートフォリオのバランスをとることでこうした問題を解決したい」とChoi氏は説明する。

もう1つの理由としては、先ほども挙げられたWP7がもつ直感的な操作性のよさなど、ユーザーフレンドリーな部分の可能性だ。「たとえ出だしは悪くても、まだリーチできていない市場が確かに存在しており、その可能性は非常に大きいと感じている。現状はハードウェアのスペック要求からハイエンドに限定されてしまっているが、これが後にミッドレンジからローエンドへと拡大していくに従い、制限されていた成長が開放されてシェアを拡大していけると考えている」と、比較的長期の視点で市場をみていることがわかる。