カウントダウンFirefox 4.0 －Firefox Syncを使ってみる

昨年12月23日、Mozillaは次期Firefox 4.0のβ8を公開した。β7から約一カ月ぶりのバージョンアップとなる。今回のおもな変更点は以下の通りである。

• Firefox Syncのセットアップ方法
• WebGLによる3Dグラフィック対応の強化
• アドオンマネージャ

この他にも多くのバグフィックスが行われている。RC版ではすでにβ9も公開されており、2011年の正式版公開に向けて、着実な進みを続けているといった感じである。今回はブックマーク、パスワード、タブ、履歴などをネットワークを介して同期するFirefox Syncを見てみよう。

Firefox Sync

Firefox Syncは、ブックマーク、パスワード、タブ、履歴などをネットワークを介して同期するものだ。同様の機能としてはアドオンで提供されていたXmarksが有名だが、Xmarks社はサービスをまもなく終了する(その後、LastPass社がXmarks社を買収し、無償サービスを継続するとの情報もある)。Firefox 4.0では、この機能が標準で搭載される。Firefox 3.xがインストールされたPCに4.0をインストールすると、初回の起動時に3.xの環境を引き継ぐかの確認がでる。同じPCであれば、このようになんの問題もない。しかし、職場と自宅のPCなど、物理的に異なるPC間でブックマークの同期を手動で行うのはわずらわしい。本稿では、Firefox Syncの使用方法を紹介したい。

職場と自宅といった離れた環境もそうであるが、ちょうど今のFirefox 4.0βを使う事例を考えてみたい。たとえば、仕事で使用中の環境に4.0β8をインストールするにはためらわれる、といったことは当然でもあろう。そこで、PCに余裕があればそちらをテスト環境とするのは安全な方法である。そこで、ブックマークを同期したい、そんな状況を想定する。そこで、仕事用PCで使用中のブックマークを、テストPCのFirefox 4.0β8と同期をしてみたい。

Firefox 4.0β8でFirefox Syncを設定

まずは、テストPCにFirefox 4.0β8をインストールしよう。[Firefox]メニューから[Syncをセットアップ]を選択する。まずはアカウントの作成となる(図1)。

[新しいアカウントを作成]をクリックする。アカウントの詳細となり、メールアドレスなどを入力する(図2)。

サーバは、自前で運用するサーバを選択することもできるが、普通はデフォルトのFirefox Syncサーバでよいだろう。[同期オプション]では、同期する内容を選択できる(図3)。

デフォルトではすべてにチェックが入っているが、パスワードは自分で管理するとか、履歴は同期する必要がないという場合には、チェックを外そう。図2ですべての情報を入力し、[次へ]をクリックすると、Syncキーが表示される(図4)。

解説にもあるように、Firefox Syncではすべてのデータが暗号化される。つまりサーバ上のデータが流出しても、他人がその内容を把握できないようになっている。しかし、自身がこのSyncキーを忘れてしまうとFirefox Syncが使えなくなってしまう。非常に重要なデータとなるので、大切に保存しよう。ここでは[保存]を選び、HTMLファイルで保存した(図5)。

次に、画面に現れた文字を入力する(図6)。画面にあるように、応答者が人間であることを確認するために行われる。

読めなければ、右の[RECAPTCHA]で別の文字列を表示させよう。以上で、セットアップは完了である。

[完了]ボタンで終える。この時点で、Firefox 4.0β8の同期が開始される。

Firefox 3.6でのFirefox Syncの設定

では、次に仕事用PCのFirefox 3.6にFirefox Syncをアドオンとしてインストールする。FirefoxアドオンのFirefox Syncのページから[インストール]をクリックする(図8)。

途中、確認などが行われるが適切に対応する。Firefox Syncのインストールが完了すると再起動し、図1と似たような画面となる(図9)。

ここでは[Firefox Syncアカウントを持っています]を選択する。図2で設定したアカウント情報を入力する(図10)。

そして、Syncキーを入力する(図11)。

以上で、Firefox 3.6側のセットアップも完了である。

これで、仕事用PCの同期が開始される。

Firefox Syncで同期

では、Firefox 4.0β8に移ろう。すでに仕事用PCのブックマークはサーバに同期済みである。それを反映する。[Firefox]メニューを開くと、それまでは[Syncのセットアップ]であったものが[いますぐ同期]に変わっている。これを選択する。ちなみに、仕事用PCのブックマークは、図13のようになっている。

これが、Firefox Syncの同期によって図14のようになる。

ブックマークの並び方が変わってしまったが、同じ内容が表示されることが確認できるであろう。今後、この2台のPCはFirefox Syncでつねに同じブックマークが使えるようになる。Firefox Syncは、PCだけでなくAndroid上のFirefoxとも同期可能である(図15)。

最新のFirefox 4.0βでは、これらの同期なども簡単に行えるようになったと紹介している。4.0への移行などでも活用してほしい。