竹野内豊の主演映画『太平洋の奇跡-フォックスと呼ばれた男-』(2月11日公開、平山秀幸、チェリン・グラック監督)のジャパンプレミアが13日、東京・有楽町の東京国際フォーラムで行われ、竹野内をはじめ、共演のショーン・マクゴーウァン、井上真央、山田孝之、中嶋朋子、岡田義徳、唐沢寿明らが舞台あいさつに登壇した。
竹野内豊(左)と唐沢寿明 拡大画像を見る |
本作は、太平洋戦争末期、激戦地となったサイパン島で、たった47人の兵力で45,000人もの米軍に立ち向かい、多くの民間人を守り抜いた実在の人物・大場栄陸軍大尉の物語を、日米双方の監督の視点から壮大なスケールで描く。
タイで約2カ月間のロケが行われ、撮影前に大幅な減量に挑んだという竹野内。主人公の大場大尉を演じ、「当たり前のようにあるこの国の平和は、戦争の中を生きた方々の苦しい体験があったからこそ。同じ軍服を着て撮影をしているうちに、日本人として決して忘れてはいけないことだとあらためて痛感しました」とゆっくりとかみしめながら語った。 また、「こんばんは、松野内豊です」と冗談めかしてあいさつを始めた唐沢も、「数ある戦争映画の中でも知らなかった史実。こんなことが実際にあったんだって本当に驚きました」と真剣な面持ちに変わり、「日本とアメリカの2人の監督が撮ることで、途中がらりと雰囲気が変わって不思議な体験ができると思う。そして、竹ちゃんを皆さん、よろしくお願いします」と事務所の後輩・竹野内を激励し、会場を笑わせた。
同プレミアでは、登壇者と観客1,200人が、平和への祈りをこめて千羽鶴を作成。出来上がった折鶴に満足げな竹野内に対して、唐沢はなかなか折ることができず、「後輩には絶対に教わらない!」とかたくなに拒否。隣の中嶋はそんな唐沢に、「悪いのは人の話を聞かないところ」と呆れ顔だった |
同プレミアの最後には、大場栄大尉の実の息子・大場久充さんと、大場大尉と共に実際に戦場で戦った朝倉幸雄さんが花束を手にサプライズで登場。映画公開の祝福を受けた竹野内は、元兵士で原作者のドン・ジョーンズをたたえ、「真実の記録を残してくださった彼と、我が身をもって全力で最後まで戦い抜いてくださった方々に、この場を借りて心の底から感謝を申し上げたい。戦後一世紀も満たないうちに日米が合作してひとつの作品を作れたことは素晴らしいと思う。いつまでも日本人の心に残る映画になってくれたら嬉しいです」と涙をこらえながら、何度も言葉をつまらせて思いを語っていた。