Googleのアプリストアである「Android Market」にマルウェアやセキュリティ上の脆弱性を含むアプリが多数登録されている可能性があることは以前より指摘されているが、あるセキュリティベンダーの説明によれば、Androidはオープンであると同時にハッカーらがアクセスするのも比較的容易だという。一方でAppleのiOSはセキュリティ的な仕組みが強固で、安全性が高いというのだ。
今回の指摘を行っているのはトレンドマイクロ代表取締役会長スティーブ・チャン氏で、米Bloombergが1月11日(現地時間)の報道として同氏のコメントを紹介したところによれば、Androidはオープンであると同時に、それはハッカーがOSのアーキテクチャやソースコードを熟知していることでもあり、より危険性が高いというのがその理由だ。一方でチャン氏はAppleに対しては信頼を置いているといい、その理由としてAppleがセキュリティに対する配慮が高く、ウイルスのような攻撃に対抗するには重要な意味を持っているとしている。実際、iOSではサンドボックスのような仕組みを用いてアプリが隔離されるように動作しており、ウイルスのようなマルウェアの活動を阻害しているからだ。スマートフォンが次世代のPCとして利用されるようになったとき、特に企業におけるデータのロスが大きな問題に直結し、セキュリティ対策が重要になるというのがチャン氏の考えだ。
このインタビューに先立つ形でトレンドマイクロは1月7日(米国時間)、「Mobile Security for Android」という製品を発売している。同製品の機能はAndroidユーザー向けのフィッシング対策、ダウンロードデータの検証、通話/メールフィルタリング、保護者機能の主に4つで、3.99ドルでAndroid Marketより製品が提供される(30日間フリートライアル)。完全な保護がなされていないからこそセキュリティ製品が必要になるというのが同氏の主張だが、同種のAndroid向けセキュリティ製品はSymantecもリリースしており、今後スマートフォン利用拡大とともに市場が拡大していくものとみられる。