既報のとおり、米Intelは5日(現地時間)、"Sandy Bridge"の開発コード名で知られていたCore iシリーズの新世代プロセッサを正式発表した。あわせて、CES 2011の会場となっている米国ラスベガスでは、プレス向けの製品発表イベントが開催された。スピーカーは副社長 兼 PCクライアント事業本部長のMooly Eden(ムーリー・エデン)氏だ。
Eden氏によると、2010年は世界中で1日に100万台以上ものPCが販売された。これは大変なことだが、2011年はさらにエキサイティングな年になるだろうとする。なぜならば、例年のように、今年もCESで次々と新しいテクノロジが発表されるからだといい、そして、PCはその中でも巨大で主要な位置を占めるデバイスであり続け、さらに多くの需要が望めるのだと、同氏は語る。
10年前の2000年のPC市場を振り返ると、市場に占めるコンシューマPCの割合は30%ほどで、残りが企業向けPCというものだった。これが2005年になるとコンシューマPCの割合は40%ほどになり、2010年にはついにコンシューマPCが全体の66%を占めるにいたった。コンシューマユーザーのホリデーシーズンの"欲しいものランキング"は2010年まで3年連続でPCであったのだという。
Eden氏は、コンシューマは王様、そして女王様でもあると話す。それは何故なのか。理由のひとつとして、Webのコミュニケーションサービスや動画共有サービスなどが近年非常に活発になっていることがあるという。そういったWebサービスを利用するにあたり、画像や動画などを加工するといったユーザーの欲求が生まれ、ユーザー自身がコンテンツのクリエイターであり、PCの新たな使い方のイノベイターに変貌して来ているのだ。そのことが、コンシューマPCの高い需要へとつながっているのだと言う。
メール以外(?)だと、Youtubeで20億回以上の動画を毎日再生している。アップロード数もかなりの数にのぼる |
Facebookには月間25億枚の画像をアップロード。そういったところにユーザーの膨大な欲求が存在する |
そういったユーザーのニーズに対し、最適な高性能と使いやすさを提供すれば、コンシューマPCの価値はさらに高まって行く。そのための新たな製品だとして、同氏はSandy Brige世代のCore iシリーズ・プロセッサを発表した。Sandy Brigeでは、単純に従来型のCPUが備えていたコンピューティング性能を高めているだけでなく、GPUを統合することなどにより、ビジュアル体験のための性能を大幅に強化している点も特徴だとされた。メインストリームクラスに最適というグラフィックス性能を備え、さらに動画のトランスコーディングを高速化する機能なども実現している。
そしてEden氏は、Sandy Bridgeの新たな性能を、画像のレンダリング速度や動画のトランスコード速度の比較ベンチマークや、複数の動画のスムーズな並列再生、人気ゲームタイトルの快適な動作など、実際のライブ・デモンストレーションによって数多く実演して見せた。同氏は、コンシューマユーザーに革新的な新たなPC体験を届けることができる、あらゆるユーザーがこれまでとの違いに気付くだろうと、Sandy Bridgeに対する自信を見せていた。
ここからはライブデモで、CINEBENCH R11.5でレンダリング速度を比較。一番左がSandy Bridgeで、2つの旧環境との違いは明らか |
ハードウェア処理でトランスコード速度を比較。新旧デスクトップ対決と思いきや、旧環境デスクトップ対Sandy bridge搭載ノート。Eden氏はディスクリートGPU以上の速度が出るとアピール |