「まずはビール」じゃなくて、「まず揚げ芋」

揚げ芋が好きだ。居酒屋に行けばまずはフライドポテト。シンプルに塩味も好きだが、アンチョビガーリックやサワークリーム&スイートチリソースなどの味付けだと、もう最初から最後まで"芋"でいいくらいの溺愛っぷりだ。

もちろん、ファストフードのフライドポテトも大好物。私にとってはフライドポテトがメインで、もはやハンバーガーはサイドメニューに近い存在である。ゆえに、試したことがあるのだ。ハンバーガーにフライドポテトをサンドしてみる、という荒業を。

しかしこれが、期待していたほどおいしくない。ハンバーガーのソースやら野菜の水分やらを吸ってしまって、あっという間にフライドポテトのサックリ感がなくなる。揚げ芋好きとして、しなしなになってしまったフライドポテトほどまずいものはないのだ。

揚げ芋とバーガーという素敵なマリアージュ

そんな折、モスバーガーからすばらしい商品が発売となった。「塩バターチキンバーガー(ペッパー風味)」(360円・2月7日まで販売)だ。何がすばらしいって、チキンと一緒にポテトフライを具材にしているのだ。直火焼きのチキンと専用ポテトフライ、オニオンスライスをバンズでサンドし、味付けには梨のピュレやバター、青柚子の皮をすりおろしたもの、揚げ胡椒をあわせたソースを使っている。

「塩バターチキンバーガー(ペッパー風味)」

揚げ芋がバーガーの具材。なんて素敵なマリアージュなんだろう。早速いただいてみると、これが予想以上にポテト、サクサクッ!! よく見ていると、ポテトは少し太めの千切りといってもいいくらい細めにカットされていて、これを成形して揚げている。ハッシュドポテトのような仕上がりで、これがサクサク食感をキープするポイントなのだろう。

ハッシュドポテトのようなポテトフライが具材に

あとは、チキンがやわらかくてジューシー。皮までしっかりと焼き目が付いているのだが、ソースがかかっているのでパリッと感はナシ。しかしながら香ばしさはしっかりと伝わってきた。

ソースには青柚子の皮のすりおろしが入っているとのことなのだが、ソース単体で味見してみると分かる程度。スライスオニオンやらマスタードやらの辛味で、繊細な青柚子の風味が飛びがちなのが残念だ。マスタード、使わないといけないのかなぁ。柚子胡椒等で代用するなどして頑張って欲しかった。

そして意外に気になるのがバンズの甘み。ふんわりとしたやわらかさで、少し甘みのあるバンズなのだが、ずっと食べているとやけにこの甘みが口に残る。全体的にこってり濃厚な味ではないので、余計とこの甘みが気になるのだ。

しかしながら、やはりポテトフライの存在は大きい。最後の1口までサクッしてくれていた。揚げ芋がバーガーの具材だなんて、斬新! リピート、決定!! と思っていたら、マクドナルドからもハッシュポテトを使ったハンバーガー「アイダホバーガー」が1月下旬に発売となる。これで一気に"揚げ芋バーガー戦争"に突入するのであろうか。他社の動きも気になるところである。