カナダのResearch In Motion (RIM)は1月6日(現地時間)、現在米ネバダ州ラスベガスで開催されているInternational CES 2011において、同社初のタブレット製品「BlackBerry PlayBook」の提供計画の公開ならびに、CES来場者への実機プレビューを行った。これまで複数のイベントでエグゼクティブらによるプレゼンテーションや、ガラスケース内での展示は行われていたものの、来場者が実際に触れる形でプレビューが行われるのは初となる。

PlayBookは、スマートフォンのBlackBerry開発で知られるRIMのタブレット製品。ベースにBlackBerry Tablet OSを採用しており、HTMLとJavaによる開発のほか、Adobe AIRベースのアプリを稼働させることが可能。開発者に対しては、すでにSDKの提供で同社アプリストア「App World」へのPlayBookアプリの登録受付を昨年2009年末に始めており、ローンチまでにアプリを登録した開発者に対してはPlayBookの無償提供を行う旨の告知を行っている

2010年10月末に米カリフォルニア州ロサンゼルスで開催されたAdobe MAXカンファレンスで公開された「PlayBook」。当時はガラスケース内のデモのみで、実機に触れることはできなかった

ハードウェア的なスペックは、7インチの1024×600ピクセル(WSVGAサイズ)の液晶パネルタッチスクリーンを採用し、本体サイズは130×194×10mm、本体重量は400gとなる。プロセッサには1GHz駆動のデュアルコアプロセッサに1GBの本体メモリを採用、MP3/AAC/WMAのオーディオ再生や1080pのHD動画(H.264/MPEG4/WMV)再生やHDMI経由での画像出力に対応する。ビデオカンファレンスと動画撮影に対応した両面HDカメラを採用、外部接続はIEEE 802.11 a/b/g/nの無線LANにBluetooth 2.1+EDRをサポート。さらに内部ストレージのサイズで3種類のモデル(16/32/64GB)が用意される。こうした協力なハードウェアスペックやソフトウェア環境のプレビューについては、追ってCESのRIMブースレポートの中でフォローしていく。

RIMではこのほか、PlayBookのローンチに関する詳細情報も公開している。従来、PlayBookの提供時期は2011年第1四半期とアナウンスされており、前述のApp WorldにおけるPlayBookアプリローンチもそのタイミングになるとみられていた。だがRIMによれば、米携帯キャリア第3位のSprintと共同で、同社4Gネットワークに対応したPlayBookを2011年夏にリリースする計画だとの発表が行われた。RIMとSprintによれば、4G対応により従来の3G接続よりも10倍高速なダウンロードが可能になるとのアピールが行われており、詳細は記されていないものの、おそらくSprintの提携パートナーであるClearwireのWiMAXネットワークに対応した製品になるとみられる。

これに関して、PlayBookの提供が遅れるのではとの観測が流れていたが、米Wall Street Journalの1月6日(現地時間)の報道によれば、Wi-Fiネットワークのみに対応したPlayBookの提供は、当初の予定通り2011年第1四半期中に行われるという。提供形態は不明だが、その多くは現在RIMがパートナーとして提携しているSprintのほか、AT&TやVerizon Wirelessなどの携帯キャリアのリテールストアを通じて行われるものとみられる。