米通信大手AT&Tは1月5日(現地時間)、米ラスベガスで開催した開発者サミットにおいて3GネットワークのHSPA+へのアップグレード完了を報告すると共に、敷設を進めているLTEネットワークを合わせた「4Gサービス」戦略を説明した。

AT&TのHSPA+ネットワークの実効速度は最大6Mbps。一般的にHSPAベースのネットワークは3.x世代と表現されるが、AT&Tは通信技術の違いではなく、これまでとは異なるレベルのスピードを体験できるサービスとして、今後HSPA+とLTEを「4G」とアピールしていく。LTEについては、米国でのネットワーク敷設を当初の計画よりも早い2013年末までにほぼ完了させるという。2011年中ごろに一部地域でサービスを開始し、2012年から本格的に普及させる。

AT&Tは2011年中に20種類の4G対応デバイスを揃える計画で、年間を通してHSPA+対応機種を拡充し、後半にはタブレットを含むLTE対応デバイスも投入するという。開発者サミットでは「Motorola ATRIX 4G」「HTC Inspire 4G」「Samsung Infuse 4G」などの新Android端末が発表された。ATRIX 4Gは1GHz動作のデュアルコアプロセッサ、4型のqHDディスプレイを搭載する。Inspire 4Gは4.3型(480×800)のsuper LCDディスプレイを装備。Infuse 4GはAT&TのAndroidデバイスのラインナップで最も薄く、そして最大のディスプレイ(4.5型)を搭載したスマートフォンになる。Samsungの次世代ディスプレイ技術Super AMOLED Plusを採用、1.2GHz動作のプロセッサを備える。

現在AT&TはAppleのiPhoneを米国で独占的に扱っている。同社の4G戦略における今後のiPhoneの役割が注目されるところだが、開発者サミットではiPhoneには言及しなかった。