米Amazon.comは1月4日(現地時間)、Androidアプリ開発者向けのポータルサイト「Amazon Appstore Developer Portal」を開設した。これは同社が準備を進めているAndroidアプリストア「Amazon Appstore」と連携しており、同ストアがオープンした際にはDeveloper Portalを通じてユーザーへのアプリ配布が可能となる。Googleが運営するAndroid Marketとは独立したサイトとなるが、Amazon Appstoreならではのメリットとして、課金システムにGoogle CheckoutではなくAmazon.comのシステムをそのまま流用できる点がある。

Amazon Appstore Developer Portal

同件は昨年9月から10月にかけてTechCrunchやBloombergが報じていたもので、今回のタイミングでAppstoreの正式アナウンスと、開発者登録がスタートしたことになる。開発者の利用手順は簡単で、まず開発者登録を行った後にアプリを登録し、必要な審査を経て同アプリストアでの公開が可能になる。開発者登録の年間費用は99ドルだが、現状で初年度は費用が免除される。このあたりは他のアプリストアと同等で特別際立った点はないが、Amazon Appstore最大の特徴として、同社の課金システムや販売システムをそのまま利用できる点が挙げられる。

オンラインショッピングサイトとしてのAmazon.comについてはもはや多くを語る必要はないが、このショッピングシステムの一環で、そのままアプリが購入できる点にメリットがある。ショッピングカートや検索システムなど、Amazon.comでは各種APIを公開しており、Webサイト以外のアプリからでも同システムが利用できる仕組みが提供されているが、Amazon Appstoreではこのメリットを最大限に活用できる。またGoogleのAndroid Marketに比べ、AppleのApp Storeでの有料アプリ利用が進んでいる理由として、iTunes Storeを利用する既存ユーザーの数が多く、そのクレジットカード情報を流用できている点がある。これはAmazon Appstoreでも同様のことがいえ、Android Marketと比較したアドバンテージだといえるだろう。