2011年 年頭のご挨拶
日本ヒューレット・パッカード
代表取締役 社長執行役員 小出伸一
新年明けましておめでとうございます。旧年中に皆様から賜りましたご支援、ご厚情に対し深く感謝申し上げますと共に、新しい年の門出にあたり、ご挨拶申し上げます。
2010年は、アジアや中南米の新興国が高成長を続ける中で、日本の競争力をどう高めるかという議論が従来にも増して高まった1年でした。日本の持つ個々にすぐれた要素技術だけでなくソリューションとしてのグローバルな競争力の強化、企業立地としての日本市場の魅力を高めるためのアクションも起きてきました。そうした中私ども日本HPは、HPワールドワイドで培った実績を活用し、日本のお客様にとって価値ある製品やサービスをご提供すべく、邁進してまいりました。
企業向け事業においては、本格的なクラウド時代を迎えてお客様の競争優位をサポートできるよう、サーバーをはじめとする製品の強化に加え、ITアウトソーシングビジネスやコスト削減に貢献するソリューションを積極的に展開してまいりました。さらにネットワーク製品の3Comやストレージのリーディング企業3PARといった各分野における強力な企業の統合によるポートフォリオの拡充や、環境配慮型社会のインフラ構築を推進する組織の設置など、将来を見据えた取り組みも進めてまいりました。
PC事業においては、基盤となる企業向けPC、ワークステーションに加え、教育分野や小売業など新規分野へ新製品を投入。個人向けには、世界的なデザイナーや音楽プロデューサーとのコラボレーションによるデザイン性、エンターテイメント性の高い製品の投入や、女性ユーザーに対する積極的なプロモーション展開による市場開拓活動にも引き続き積極的に取り組んでまいりました。
イメージング・プリンティング事業においては、「クラウド・プリンティング」をキーワードに、プリンタードライバーを持たないスマートフォンやMobile PCからもE-mailを送るだけでプリントできる、世界初の機能を搭載した次世代ネットプリンターや、環境に優しく、生産性に優れたHP Latex Ink搭載の大判プリンターのラインアップ拡大などで、個人向けから印刷業界向けまで、HPならではの優れた技術に裏打ちされた製品群の投入を進めてまいりました。
迎えた2011年、日本HPは世界170カ国で事業を展開し、企業向けから個人向けまで幅広いポートフォリオを持つHPの総合力を生かし、お客様の期待に応えるとともに、日本の存在感を高めていかれるよう、お手伝いをしていく所存です。日本の持つ高い技術力や品質、そして優れた人材は、世界に十分通用するものであり、経済のグローバル化が進む中で日本が貢献し、成長できる分野は多岐にわたります。
HPでは昨年秋より、企業向け事業のビジョンとして「Instant-on Enterprise」を掲げています。「Instant-on Enterprise」とは、ビジネスモデル、技術、働き方が大きく変化し続ける中にあって瞬時にお客様、パートナーのニーズに的確に対応できる企業です。今求められる企業の姿として、お客様と具体的なイメージを共有し、HPの持つハードウェア、ソフトウェア、サービスに至るポートフォリオを提供し「Instant-onEnterprise」の実現をサポートしてまいります。膨大な情報から必要な情報を解析し、瞬時に経営判断に活かせる、真に経営に貢献するITをお客様とともに設計、構築してまいりたいと存じます。グローバル経済の中で日本企業が競争力を発揮し、勝ち残っていくため「信頼できるパートナー」としてHPにお任せいただけるよう努めてまいります。
また個人の生活を豊かに、快適にするという面においても、これまで以上にHPの持つテクノロジーを生かして貢献してゆく所存です。個人のお客様との接点となるパソコンやプリンターでは、今年も機能性とデザイン性、さらにはエンターテイメント性を追求した、魅力ある商品を、お求め安い価格で提供してまいります。
さらに本年5月に、東京都江東区に新本社が完成し、これまで都内に分散していたオフィスをここに統合し、新たな一歩を踏み出します。移転を機に新しい環境で、お客様を中心に組織の枠を超えたチームで仕事ができるオフィス、社員全員がリーダーシップを発揮しながら創造的に働ける会社を創っていきたいと考えています。将来、ITの新しい時代が日本HPから始まったといわれるような会社になるよう、今年も社員一同努力してまいります。 引き続きより一層のご高配を賜りますよう、お願い申し上げます。
末筆ながら、皆様のご健勝を心よりお祈り申し上げます。