2011年 社長年頭の挨拶(抜粋)

日立製作所 執行役社長 中西宏明

皆さん、あけましておめでとうございます。

昨年、私たちは「強い日立の復活」に向け、確実に歩みを進めました。激しく変動する経済状況の中でも、日立は、確実な業績の回復と、事業のグローバル展開の加速を図ったのです。

2011年、私たちは、次の100年に向け、新たな成長シナリオとともに、「日立の挑戦」を開始します。日立の使命は、類まれな技術力を生かし、人々の豊かな生活と、より良い未来に向けて、技術を通じた「社会イノベーション事業」で貢献していくことです。社会の変革をリードし、グローバル市場で成長していく「日立の挑戦」に、グループの総力を挙げて取り組んでいきましょう。

私たちの挑戦の前提となるのが、加速するグローバル化と、それによる新たな市場の出現です。今、このグローバル化の波に直面している私たちは、大きなチャンスに恵まれていると考えるべきです。この潮流こそが、さらなる成長をとげ、未来を切り開いていくためのさまざまな事業機会となるからです。広がる事業機会をグローバルに求め、各地域のニーズにしっかりと対応していくこと。そこにこそ日立の「社会イノベーション事業」の大きな発展があります。

世界中のお客様が日立に大きな期待を寄せています。各カンパニーは、自らの強みを生かした成長戦略を立案、着実に実行してください。事業目標をグローバルなベンチマーキングに基づいて設定し、それぞれがその業界で強固な地位を確立してください。自らの成長のために社内外のリソースをどう利用していくか、徹底的に考えてください。徹底的に強化されたそれぞれの力を、強力なシステムインテグレーション力によって統合することでこそ、本当のシナジーが生まれます。こうしたイノベーティブな挑戦を継続していくビジネスモデルを構築することで、日立は、社会イノベーション事業を軸に、グローバル市場での成長を実現していくのです。

日立の仲間は、世界中のさまざまな国で活躍しています。そして日立のシステムは、世界の人々の暮らしを支えています。こうした幅広い事業分野、多様な地域に広がる日立には、人財の面においても、さらなる多様性、ダイバーシティが求められます。すでに、地域に根ざした司令塔が次々と生まれ、それぞれの国の文化に根ざした事業運営が始まっています。日立が必要としているのは、自分の周囲の人を巻き込んでいく力や、その先のもう一歩を考え抜ける力をもつ人財です。さらに世界の現場で仲間とともに汗をかく強力なチームワークです。私は、優れた人財を育成していくために、全面的なサポートをしていきます。そして、皆さん一人ひとりが挑戦していけるステージをどんどん作り出していきます。

日立は、創業から100年を経て、新たな挑戦者として、世界に飛び出していきます。あらゆる地域、あらゆる分野が、さらなる成長を実現するための、「日立の挑戦」のステージです。より自由な発想で、より熱い思いで、ワクワクするような挑戦を続けていこうではありませんか。ともにがんばりましょう。