阪急電鉄はこのほど、阪急電鉄100周年記念事業の一環として、川崎重工業より阪急600系車両(602号)を譲り受けたと発表した。すでに阪急電鉄正雀工場に搬入済みという。今後は車両の整備を実施し、正雀工場で静態保存するとのこと。2011年春に開催する「阪急レールウェイフェスティバル」にて一般公開する予定。

1959(昭和34)年2月、阪急宝塚線を走行中の602号(阪急電鉄提供)

阪急600系は1926(大正15)年5月に製造された電車。全長は17,170mm、全幅2,740mm、全高4,110mm。重量は約28tで、定員は126人。71kwの電動機を4機搭載した。日本初の全鋼製車体を採用した車両としても知られているという。当時の鉄道車両の車体は木造から一部を鉄鋼製にした「半鋼製」へ移行していた時期。全鋼製車体の採用は「乗客の安全のために強固な車体を」という川崎造船所の提案で、当時の阪急電鉄社長小林一三が他社に先駆けて決断したとのこと。

600系は合計18両が製造され、1975(昭和50)年に引退するまで神戸線や宝塚線で活躍した。引退後、もっとも状態の良かった「602号」が川崎重工兵庫工場で「技術遺産」として保存されていたという。