空気清浄機は、かつては部屋の空気をフィルターで漉し取るという機能しか持たないものが主流だったが、ここ数年、加湿機能やイオン発生機能の搭載など、多機能化が進んできている。とくに、昨年のインフルエンザ大流行の際には、インフルエンザウイルスへの対策という面が期待され、イオン発生機能を搭載した加湿空気清浄機が大ヒットした。
ちなみに、厚生労働省が提供している「インフルエンザ流行レベルマップ」によると、2010年の冬は、インフルエンザの患者数はさほど多くないようで、大流行があった昨年のようなことにはならないようだ。
さて、多機能化の先端を行くのが、加湿機能と除湿機能とを取り入れた除加湿空気清浄機だ。現在市場に投入されているのは、日立アプライアンスの「クリエア7」(現行モデルは『EP-EV1000』)と、ダイキン工業の「クリアフォース」(現行モデルは『MCZ65L』)の2製品。今回は、日立アプライアンスの家電事業部で空気清浄機の商品企画を担当する岡村明子氏に、クリエア7について話を伺った。
年間通して利用できる空気清浄機「クリエア7」
――クリエア7は、加湿機能と除湿機能を備えた空気清浄機ですが、どういった経緯でこの製品を企画されたのでしょうか?
「空気清浄機のユーザーは、例えば花粉の季節など一定の季節にだけ空気清浄機を動かすというのではなく、一年中空気清浄機を使用しているケースが多く、このところのセールスでは、空気清浄機能オンリーの製品よりも、加湿付きの製品の方が数が出ています。
複数の機能を1つにまとめることで、使わない時期に押し入れなどにしまっておくという手間がなくなるというメリットも受け入れられているのです」
――特徴とも言える除湿機能の追加により、ユーザーはどんなメリットが得られるのでしょうか?
「除湿機には、湿度を下げることによって、カビや雑菌の繁殖を抑えるという効果があります。洗濯物の部屋干しを行った際に、ニオイなどが気になると言う人は多いと思います。そういったニオイの原因は雑菌です。フィルターで雑菌をキャッチして、キレイな風で洗濯物を乾かすことで、部屋干しのニオイの軽減にもなります。
さらに空気清浄機は、大風量が求められる機器です。そのため、よりスピーディーに洗濯物を乾燥させることも可能になります。このように、除湿機能を加えることで、単体の機器ではカバーできない範囲にまで、用途が広がっていきます」
――クリエア7では、空気清浄、加湿、除湿という3つの機能ではなく、"7つの機能"としていますが、これはどういう意味でしょうか?
「クリエア7は、空気清浄運転での『空清』『強脱臭』、加湿空気清浄運転での『加湿』『肌保湿』、除湿空清運転での『除湿』『結露セーブ』『衣類乾燥』の計7つの機能を搭載しています。このなかで、空清・強脱臭は、空気清浄機能の単独運転ですが、それ以外は、複数の機能を使用するものです。
一番わかりやすい例が結露セーブしょう。除湿機は夏に使うというイメージが強いのですが、結露セーブは冬に使うモードです。暖房を使用するときに、乾燥を防ぐために加湿器を使用するというケースは一般的です。この際、就寝前に暖房を切ると、温度の低下とともに湿度が上がり、明け方には窓や壁などに結露が発生することがあります。
結露セーブモードはこれを防ぐためのもので、暖房中は加湿運転を行い、暖房をオフにして室温が下がると、自動的に除湿運転に切り替わって、結露の発生を抑えるというものです。こういった運転は、加除湿空気清浄機ならではのものです。もちろん、すべてのモードで空気清浄も同時に行われます。このように、複数の機能を連携させることで、製品としての機能は、7種類になっているということになります」……ダチョウ抗体フィルターは生もの!?