アジア時間概況

アジア時間序盤は、比較的平穏な動きで方向感なし。株式市場も、北朝鮮の核査察受け入れの報道を受けて、若干緊張緩和ということで底固く推移。中国株式市場も、値ごろ感から金融銘柄への買いが入る一方で、資源価格の上昇を受けたエネルギー関連株からのサポートもあり、堅調に推移し、日本225もそれに追随する展開となった。

RBA議事録については、中立姿勢維持のスタンスが表明され欧州からの懸念があるも、中国・インド需要に相殺され、やや上値が重たい展開となった。

こういった中、昼に王岐山・中国副首相がEUに対して欧州債務危機に対して中国は支持するというコメント報道があり、薄商いの時間帯ということもあって、ユーロは対ドルで1.31台前半から1.31台後半に急上昇。豪ドルやイギリスポンドも薄商いの中、つれて上昇した。ただ、後になって報道内容の訳が修正され『実施されている』ことを支持となったことから、マーケットのユーロ買いは一旦失速。

米金利も落ち着いた展開になっていることから、ドル円はクロス円の売りが入るも83円台後半でこう着状態。その後の日銀金融政策決定会合の結果にも目新しさはなく為替・株式市場いずれも小動きとなった。

本日の主要経済指標

・16:00 ドイツ : 1月GFK消費者信頼感調査

・16:15 スイス : 11月貿易収支

・21:00 カナダ : 11月消費者物価指数

・22:30 カナダ : 10月小売売上高

要人発言 イベント

・16:30 白川日銀総裁記者会見

欧米時間の見通し

中国側からの援護射撃があったために、株式市場はリスク思考の地合いになっている。

もっとも、薄商いの市場において、前日の格付けに絡んだ動きからの短期筋のポジション解消という一面があることは否めず、リスク回避が後退したという見方はまだ優勢のよう。ユーロは今朝瞬間200日移動平均線をタッチする展開となったが、やはりこのポイントは今後とも意識されやすい。

今日は、スペインの短期国債入札が予定されている(3カ月、6カ月)。先週の長期債の入札が低調だったことから、短期債においても低調に終わるようであれば、欧州リスクが再燃する可能性が出てこよう。欧州債券の利回りは、アイルランド以外は若干落ち着いた展開となっているが、スペインとポルトガルは、アイルランド支援が決定した水準にまで上昇しており、その意味では市場の注目材料は、やはりこの2カ国であろう。引き続き、欧州におけるクレジットに絡んだ話題には注意しておきたい。 

下値のポイントとしては、200日移動平均線がある1.3100付近をしっかりと割り込む材料が出てくるかどうか。株式市場におけるリスク思考が強まった場合には、クロス円の売り圧力も入りやすい。

ドル円は、欧州懸念からユーロ円などのクロス円、さらにドル円でも本邦筋からの売り興味が上値で控えていると言われている。特にドル円では84.40-85.00がかなり厚く、ユーロ円でも112-113円台に控えている可能性があるようだ。

一方、リスク回避的な地合いながらも、豪ドルや資源関連は堅調に推移している。新興国経済からの需要ということで、ファンド筋が素材関連を物色している模様。CRB指数も堅調に推移していることから、資源・エネルギー、素材関連は新興国からのサプライズ的な規制が発表されない限りは、市場のけん引役となるかもしれない。

ただ、クリスマス週間ということもあり、米金利の動向次第では利益確定の動きがでやすいとも思われ、にわかロング志向にはリスク設定をしておきたい。