「"Jailbreak"はDMCAの適法範囲」との見解が出てからも、依然として同行為に対して厳しい対応をとり続けているAppleだが、一方でJailbreak対策の一環として導入された「Jailbreak Detection API」が最新のiOS 4.2アップデートで突然何の説明もなしに削除されていたことが話題になっている。Network Worldが12月10日(米国時間)に報じている。
問題のAPIは、企業向けのデバイス管理機能として、Mobile Device Management (MDM)実現の一環で今年6月のiOS 4.0アップデートで初めて導入されたもの。企業系システムでは、例えばJailbreakなどが施されたハッキング済みの端末をシステムに接続させることで、セキュリティホールを誘発させる原因となる。MDMはそうした各端末をコントロールするための仕組みで、Jailbreak Detection APIはサードパーティ製アプリがiOSシステムへとアクセスする手段を提供し、iOSそのものがJailbreakされているかを返答するという。
Network Worldによれば、実際にAirWatchやSybaseのAfariaなどはこのAPIをアプリ内に実装しており、デバイス管理の仕組みを提供している。だがSybaseのエンジニアリングVPであるJoe Owen氏によれば「確かにAPIを使用しているが、あくまで補助的なもの」だという。Owen氏もAppleが同機能の削除に至った理由が不明だとしているが、仮にハッキングされた可能性のあるOSが「私はハッキングされていません」とAPIで逐次返答するのも奇妙な話で、これはポリシー上の問題というより技術的問題に起因する可能性が高いと判断できるかもしれない。