パナソニックは、来年4月1日から完全子会社化することでグループ企業となる三洋電機と、初めて合同でブースを出展している。ブースのテーマは、「パナソニックグループの街まるごとエナジーソリューション」。昨年まで、パナソニックでは「おウチまるごと~」というテーマでブースを展開していた。今回の展示内容は、従来までのパナソニックのブースに、三洋電機の家庭向け以外の製品がプラスされたような状態だ。同社によると、三洋電機が加わったことで、公共エリア向けなど、ソリューションに幅ができたため、「街まるごと~」となったのことだ。ブースは、ソリューションごとに「おウチまるごとゾーン」「ビル・オフィスまるごとゾーン」「お店まるごとゾーン」「公共エリアまるごとゾーン」「工場まるごとゾーン」、そしてそれらを総合した「コンセプトステージ」とに分けられている。
コンセプトステージは、各ゾーンのソリューションを統合したブース全体のコンセプトを紹介している |
三洋電機が開発したHIT太陽電池モジュールに、リチウムイオン電池、エネルギーマネジメントシステムを組み合わせた、家庭用のエナジーソリューション |
「ECOナビ」製品がわかる - おウチまるごとゾーン
「ECOナビ」機能は、家電製品からAV機器と、幅広い製品に搭載されている。基本的には、ユーザーの手を煩わせずに省エネを行うための機能だが、搭載されている機器によって、その手法は異なる。おウチまるごとゾーンでは、それらECOナビ搭載製品をそれぞれがどのような働きをしているのかを展示している。
直管型LED照明を展示するビル・オフィスまるごとゾーン
ビル・オフィスまるごとゾーンでは、同社が11月8日に発表した「直管型LEDランプ搭載ベースライト」の展示が行われている。従来より、直管型のLEDランプは存在したが、ランプの重量などは製品によりまちまちで、器具によっては取り付けに問題のあるケースも存在した。そこで、10月に日本電球工業会が直管型LEDランプの規格としてまとめたのがJEL801:2010。40形の場合、全光束は2300lm以上、演色性は80以上 配光は120°以内の光束が70%未満、口金はGX16t-5など、直管型LEDランプが満たすべき仕様が定められている。
同社の直管型LEDランプ搭載ベースライトは、この規格に対応したLEDランプを採用する照明器具。蛍光灯よりも省電力で、フリッカーの発生などもない。また、既存の器具にLEDランプを取り付けるための交換ユニット(既存の照明器具の電源やソケットなどを交換するためのユニット)も、来年1月に発売が予定されているが、価格的には、交換ユニットとLEDランプを揃えると、ベースライトの価格と変わらなくなるそうで、既存の照明器具の本体を再利用するためのものとのことだ。なお、同社によると、直管型LEDランプは、発表済みの40形だけでなく、20形などにもラインナップを拡充していく予定とのことで、家庭用の照明器具への展開も期待できそうだ。
コンビニエンスストアを省エネ化する - お店まるごとゾーン
お店まるごとゾーンは、電力消費の多い、コンビニを想定したソリューションを紹介しているコーナー。ドリンクのショーケースと在庫倉庫を一体化することで省電力化を計るウォークイン冷蔵ショーケース(冷蔵ユニットが1箇所で済む)などが展示されている。なお、電源には、三洋電機が開発した太陽光電池「HIT」も利用。また、その隣には、電動アシスト自転車のレンタルソリューションも展示。ソーラー駐輪場で充電を行った電動アシストサイクルを貸し出すというもので、その管理はRFIDで行われる。
太陽光発電に夜充電ステーションを展示する公共エリアまるごとゾーンと工場まるごとゾーン
公共エリアまるごとゾーンには、ソーラーチャージングステーション「ソラリブ」を展示。ソラリブは、大型の円盤状に敷き詰められたHITパネルで発電し、その電力を大容量リチウムイオンバッテリーに蓄え、EVや電動アシストサイクルなどの充電を行うというもの。現在、同社が自動車用のリチウムイオンバッテリーを製造している河西工場に設置されている。会場に展示されているのは、その1/2モデル。
また、太陽光発電で電動アシストサイクルの充電を行うソーラー駐輪場も展示。ソーラー駐輪場は、2008年に同社が徳島県庁に設置し、実証実験を開始している。
工場まるごとゾーンでは、河西グリーンエナジーパークでの創エネ、省エネ、畜エネへの取り組みを展示している。