スタンダード&プアーズ・レーティングズ・サービシズ(S&P)は7日、オランダを本拠とするINGグループの一部保険子会社と、保険持ち株会社のING Verzekeringen N.V.の格付けをすべて据え置き、「クレジット・ウォッチ」(CW)を解除したと発表した。
これらの格付けは2010年11月10日以降、引き下げ方向のCWに指定されていたが、S&Pでは今回、INGグループの2010年第3四半期の決算発表を受けて、これを解除した。長期カウンターパーティ格付けと保険財務力格付けのアウトルックは「ネガティブ」。
日本の保険事業子会社アイエヌジー生命保険の格付け(保険財務力格付け、自国通貨建て長期カウンターパーティ格付けともに「A-/ネガティブ」)は、11月10日のCW指定の対象外だった。
格付け据え置きは、「INGグループが変額年金保険事業に付随するリスクが自己資本やレバレッジに与えるマイナス影響を抑制可能とのS&Pの予想を反映したもの」(S&P)。また、「ING Verzekeringen N.V.の収益の変動性が低下し、将来の収益見通しを現格付けに見合う水準まで改善させる能力が高まった」とS&Pは考えている。
ING Verzekeringen N.V.と保険子会社の格付けは、INGグループの数多くの市場における高い競争地位と非常に多様化した事業プロフィール、グループ全体の自己資本の適切性と流動性の管理に関する柔軟性を反映。だが、「これらのプラス要因は、投資リスクに起因する自己資本とレバレッジへの継続的な圧力により一部相殺されている」(S&P)。また、「厳しい事業環境と資産リスク低減策により収益性は引き続き圧迫されている」(同)としている。