Intelがモバイル戦略を加速している。同社CEOのPaul Otellini氏は米カリフォルニア州サンフランシスコで12月8日(現地時間)に開催された技術カンファレンスに登場し、来年2011年後半にもIntel製プロセッサを搭載したスマートフォンが大手メーカー各社から続々と登場することになると予告した。米Bloombergが同日に報じている。

Bloombergによれば、Otellini氏はメーカーの名前こそ明かさなかったものの、製品ラインとしては"プレミア"に位置するブランドのスマートフォンのコアとしてIntelプロセッサが活用されているという。すでに一部メーカーとは提携を発表しており、LGなどからは同社Atomプロセッサを搭載した初のスマートフォンが紹介されているものの、現時点で主要スマートフォン製品ラインでの採用事例はない。もしOtellini氏の発言通りに製品が登場するのならば、ARM系プロセッサが独占状態にあるスマートフォン市場において、Intelが第2の勢力として一定のシェアを獲得することになる。

こうしたスマートフォンなどPC以外のデバイス市場で、Intelは拡大戦略を急ピッチで進展させている。このOtellini氏の発表同日には、Intelが「Netbook and Tablet Group」という新部門を発足させたことを米New York Timesが報じている。過去2年ほどにわたって、ネットブック市場はIntelの注力ポイントの1つだったが、独立した組織として明確に市場をターゲットに入れていることがよりはっきりとしたといえるだろう。ネットブックと並び、タブレットもまたターゲットとする市場ということだ。

こうしたIntelの成果が実った結果なのか、Googleが発表したばかりのChrome OSを搭載したテスト機「Cr-48」では、Intelの新AtomデュアルコアプロセッサであるPine TrailベースのN550が採用されている。もともとChrome OSではARM系プロセッサを採用したOEMマシンが中心になるとみられていたが、実は最初に登場した製品がIntel Atomベースというのも興味深い。