18日公開の映画『ばかもの』の完成披露試写会が8日、都内で開催され、主演の成宮寛貴、内田有紀、金子修介監督が舞台あいさつを行った。

映画『ばかもの』の完成披露試写会に出席した内田有紀(左)と成宮寛貴 拡大画像を見る

『ばかもの』は、芥川賞作家・絲山秋子の同名小説を原作とした重厚なラブストーリー。19歳のヒデ(成宮)とその初体験の相手・額子(内田)の恋は、彼女から一方的に捨てられる形で終わる。大学を卒業し就職したヒデは新たな恋愛を試みるが、額子の幻影を追うばかりで空しさが募っていく。そんな中、29歳になった彼はアルコールにおぼれ落ちぶれ果てた末に額子と再会。彼女もまた、片腕を失い壮絶な人生を歩んでいた―。

ラブストーリーでありながら、やや重い物語が展開する本作の撮影を振り返った成宮は、「10年分のヒデを演じましたが、10年ってめちゃ長いですよね。いきなり10年後を演じたわけではなく、少しずつ変化していく姿を演じるのが大変でした」と役作りについてコメント。一方、"年上の女"として強気な面を持つ額子を演じた内田は、「ギャップが魅了的な役だと感じました。額子はすごくぶっきら棒に見えるけど、内面は繊細で女の子らしいんです。その中に、見える"ダメな部分"を最後まで演じたいという気持ちで撮影に臨みました。あまり大変じゃなかったんですよ」と成宮とは対照的なコメントだった。

本物の恋人同士のように耳元でささやき合う内田&成宮

作品の舞台となった群馬県高崎市の名物・だるまを挟み、「現地で売っていたモノクロのだるまを買いました」(成宮)とだるまトークを展開

過去にドラマで共演経験があるという2人は、撮影中も役作りや世間話などで盛り上がっていたそうで、「内田さんは、お会いするたびに『きれいだなぁ…』って見とれちゃいます。中学生の時から大ファンで、学生手帳の中には内田さんの写真を入れてたんですよ(笑)。今回の撮影では、うれし過ぎて舞い上がらないように心がけていました」と成宮。持ち上げられた内田も、「さすがにそんなに言われると恥ずかしくて、何て言っていいのか……(笑)。彼は物作りに対してとても熱心で、一緒にお芝居していて心が温かくなる瞬間が何度もありました」とコメント。劇中のヒデ&額子の壮絶なつながりとは異なるさわやかなやり取りを披露し、会場から大きな声援を浴びていた。

映画『ばかもの』は12月18日より有楽町スバル座、シネマート新宿ほかで全国公開。