スマートフォン市場での失地回復を目指してリリースされたMicrosoftの「Windows Phone 7」だが、米国での発売後1カ月が経過した現在、その売れ行きに関する情報は同社CEOのSteve Ballmer氏による「好調な反応」というコメント以外にない。一方で、同社コーポレートVPでWindows Phone 7担当ディレクターのJoe Belfiore氏が12月7日(現地時間)に米カリフォルニア州サンフランシスコで開催されたイベントで具体的な数字の提供を断ったことで、その販売状況がそれほど芳しくない可能性が持ち上がってきた。

Belfiore氏は7日、米Wall Street JournalのAll Things Digitalが主催するモバイル系カンファレンス「D: Dive Into Mobile」のステージに登場し、IT系ジャーナリストWalt Mossberg氏のインタビューに答えた。その中でMossberg氏がWindows Phone 7(WP7)の販売状況について尋ねたとき、Belfiore氏は「まだ販売数について話す段階ではない。(他社がそうだとして)発売後まだ1カ月と(話すには)短かすぎる」とコメントし、数字に関する情報の提供を断った。同氏はWindows Phone Marketplaceにおける登録アプリ数については3000~4000程度と具体的な数字を出しており、本体の販売数に関する話題は意図的に避けたものと考えられる。同イベントで交わされた話題については、Ina Fried氏がAll Things DigitalのMobilizedコーナーでLive Bloggingを通して紹介している

問題となるのは実際の販売状況だ。Mashableではユーザーからの初期の反応を例に挙げ、おおよその傾向としてAppleやGoogleといったライバルからはいまだ大きく引き離された状態であるとの分析を行っている。eWeekでは複数のソースからの情報を紹介、米国での11月8日の発売初日の総販売台数が4万台程度、欧州の一部やオーストラリアなどでは比較的好調だった一方で、英国ではAndroidやSymbianなど他の端末に大きな差をつけられた状態であったことを報告している]。

いずれにせよ、現行バージョンで実装されていないコピー&ペーストの機能などが追加されるアップデートが、来年2011年初頭にも提供される予定であることが、今回のBelfiore氏のステージ上のコメントでも確認されている。市場ではすでにAppleやGoogleと比較して1周も2周も遅れた状態だが、今後Microsoftが粘り強くWindows Phoneのプラットフォームを推進する限り、開発者やユーザーらの支援を受けて一定の勢力を確保する可能性は高い。1月のCESや2月のMobile World Congressなど、節目節目でのBallmer氏ら幹部による戦況報告に期待したい。