通知やメニューが視認しやすい

キーボードのデザインを刷新。ワンタッチでテキストの選択が可能に

インターネット通話を統合

米Googleは12月6日(現地時間)、"Gingerbread"のコードネームで開発していたAndroidプラットフォームの新版「Android 2.3」を発表した。ゲーム向けにパフォーマンスが強化されており、同社は"Android最速"をアピールしている。またWebM対応、Near Field Communication (NFC) やジャイロスコープのサポートなど数多くの新機能と新APIを備える。Linuxカーネルは2.6.35。Gingerbreadの発表に伴い、Android SDKのアップデート版(r8)の提供も開始された。

ユーザー向けの強化点から見ていくと、より素早くかつ効率的に操作できるようにユーザーインターフェイス(UI)、テキスト入力、パワー管理などが改善された。UIは、黒背景の通知バーやメニューが目立つようにビジュアルテーマの配色を簡素化。またホーム画面のメニューにアプリケーション管理ボタンを用意するなど、システム機能にアクセスしやすくなるようにメニューや設定が改められた。

新しいAndroid標準キーボードでは、入力候補が表示されるようになり、マルチタッチ・キーコーディングで入力モードを切り替えなくてもShift+[文字]や?123+[シンボル]で数字やシンボルを入力できる。またテキスト入力やWebページで、メニュー経由ではなく、直接ワンタッチでテキストを選択できるようになった。コピーしたい部分を長押しすると選択ツールが現れる。

新しいパワー管理を通じて、ユーザーはシステムコンポーネントやアプリの電力消費をより正確に把握できるようになった。端末のバッテリー動作時間を計画的にコントロールできる。

Gingerbreadではコミュニケーションの幅も広がる。SIPプロトコルスタックとコール管理サービスを含むため、SIPアカウントを持つ人へのVoIP通話が可能。コンタクトにインターネットコーリング番号(SIPアドレス)を追加でき、クイックコンタクトやダイヤラーからも利用できる。またNFCタグを読み取るNFC Readerアプリを備える。例えば、店頭に置かれた製品に情報ページのURLデータを含むNFCタグが付けられていれば、NFC対応のAndroid端末を接触させるだけですぐに製品の情報ページにアクセスできる。

ゲーム開発者を意識したパフォーマンス強化

開発者向けには「ゲーム」「リッチなマルチメディア」「新しいコミュニケーション」の3つが強化点となっている。

アプリケーションのパフォーマンスに関して、コンカレントなガベージコレクタ、イベント処理の改善、サードパーティのビデオドライバのアップデートなど、ゲーム開発者を意識した改善が施された。ゲームだけではなく、すべてのアプリケーションが従来よりも効率的かつスムースに動作するという。

新たにVP8およびWebM、AACエンコーディング、AMRワイドバンドエンコーディングなどのメディア形式をサポート。Khronos OpenSL ESのAPIを追加、またKhronos EGLライブラリへのアクセスを提供している。

Camera APIが複数のカメラへのアクセスに対応した。ジャイロスコープ、回転ベクトル、リニアアクセラレーション、重力、気圧などのセンサーをサポートするAPIを装備。アプリケーションにSIPベースのインターネット電話機能を追加できるほか、NFC APIを通じてアプリをNFCタグに対応させられる。