米Hewlett-Packard (HP)の「MediaSmart Server」はMicrosoftのホームサーバOS「Windows Home Server (WHS)」の中心的存在として長らく認知されてきたが、この製品ラインは間もなく提供が終了することになりそうだ。米Microsoftは11月30日(現地時間)、HPが同OS事業から撤退し、WHSの次期バージョンである「Windows Home Server v2 "Vail"」をベースにした製品の提供は行わない予定であることを発表した。現行のMediaSmart Serverも、2010年いっぱいをもって提供が終了することになる。
同件についてはMicrosoftがWindows Team Blogで報告している。それによれば、HPはVailのプロジェクトには参加せず、現行製品も今年いっぱいで提供を終了する予定だという。なお、すでにHPのオンラインストアでMediaSmart Serverは品切れになっており、提供が終了されている可能性がある。一方でMicrosoftはAcerやTranquilなどのパートナーがVailを搭載した次期WHS製品の開発を進めていることも公表しており、これがVailの提供スケジュールや販売計画に大きな影響をもたらすものではないことを強調している。
なおMicrosoftは、1週間ほど前にVailでのDrive Extender廃止を発表している。この発表でわかるのは、以前までのWHSであったような自由さやDIY的な要素がVailでは少なくなっており、OEMベンダーが完成品として製品提供するケースを主に想定しているようだ。サーバOSというよりは、ストリーミングやちょっとしたアプリケーションを動作可能な高機能なNASといった位置付けだ。一方でHPはこうしたホームユース向けのサービスとしては、今後webOSをプッシュしていく方針を示しており、WHS事業からの撤退もこうした政治的思惑が働いた可能性がある。