経済産業省は30日、10月の鉱工業指数(速報)を発表した。鉱工業生産指数(2005年=100)は前月比1.8%低下の91.1(季節調整済み)だった。5カ月連続の低下。前年同月比は4.5%の上昇。出荷と在庫の両指数も低下、在庫率指数は上昇した。同省は基調判断を前月の「生産は弱含み傾向にある」から「生産は弱含みで推移している」に修正した。3カ月連続の下方修正となる。エコカー補助金終了による自動車の減産が響いた。
鉱工業生産指数は、景気判断で最も重要な指標のひとつで特に速報値は注目度が高い。10月の鉱工業生産指数で低下に寄与した業種は、輸送機械工業、電子部品・デバイス工業、その他工業等。エコカー補助金打ち切りによる減産が影響し、輸送機械工業は前月比10.0%減となっている。品目別では、普通乗用車、小型乗用車、携帯電話の順に低下に寄与した。
出荷指数は前月比2.7%低下の92.6で4カ月連続の低下(前年同月比は4.4%の上昇)。低下に寄与した業種は、輸送機械工業、電子部品・デバイス工業、金属製品工業等だった。
一方、生産された製品が出荷されずに生産者の段階に残っている在庫の動きを示す在庫指数は、前月比1.5%低下の96.1で3カ月ぶりの低下(前年同月比は3.3%の上昇)。在庫の低下に寄与した業種は情報通信機械工業、輸送機械工業、電気機械工業等だった。在庫とその出荷の比率をみることにより、製品の需要状況を示す在庫率は、前月比7.6%上昇の117.1で2カ月連続の上昇(前年同月比は1.4%の低下)。
同時に発表した製造工業生産予測調査では、11月が前月比1.4%の上昇、12月は1.5%の上昇となっている。
※注 : 生産指数、出荷指数、在庫指数、在庫率ともに季節調整済みの数値