コンテンツはPC経由で購入→転送→Readerで読む
既報のとおり、ソニーの電子書籍専用端末『Reader』が12月10日から発売される。5型、6型という2種類の画面サイズのモデルが用意され、ソニーが運営する電子書籍配信ストア『Reader Store』から購入する形だ。
Reader Storeでは約2万冊の書籍を用意。購入にはソニーIDが必要で、購入した書籍はこのソニーIDに関連付けて管理されるという一般的な仕組みを採用している。Readerが対応しているファイルフォーマットはXMDF/ PDF/ TXT/ JPEGなどで、DRM付きのXMDFもサポート。自分で書籍を電子化する、いわゆる「自炊」用途でも、PDFやJPEGをサポートするので対応できる。
用意される2万タイトルの一部。紙の書籍でベストセラーになったものから、電子書籍と同時発売のタイトルなど、各種取りそろえる |
リーダーには10冊の書籍をプリインストールし、第1章相当分を無料で読むことができる |
購入したDRM付きXMDFをReaderに転送するには、PC用ソフトの「eBook Transfer for Reader」が必要となる。これは単なる転送ソフトなのでPC上で読むことはできない。対応OSはWindows 7/ Vista/ XPのみ。Macに関しては、XMDFとDRMの「Marlin」の対応が間に合わなかったためで、この辺りはまずサービスの提供を急いだ結果とのことだ。今後、Macにも対応していく考えだ。
現時点では購入はPCのみから行う形になる。海外では、iPhone/ Android搭載のスマートフォン向けに対応アプリをリリースする予定だが、現時点で国内向けには提供されない。この辺りもXMDF+Marlinへの対応が必要なためで、提供については今後の検討課題となる。こうした読書環境の拡大については、出版社や作家などのコンテンツホルダーとの協議も必要で、現時点で提供開始時期などについては明らかにされていない。
未知の本との出会いを提供する「Reader Store」
販売サイトとなるReader Storeでは、「新しい読書体験を提案」(ソニーマーケティング代表取締役社長 栗田伸樹氏)することを目指す考え。具体的には、「新たな本との出会いの提供」を目的としたレコメンド機能を提供する。レコメンド機能では、「大半の人は"知っている本"にしか出会えない」という現状に対して、ユーザーの趣味や嗜好にあった本を提案する。
たとえばReader Storeには本棚機能があり、この本棚には100個近いアイテムが用意されている。このアイテムを本棚に置くことで、アイテムに割り当てられた特性に沿ったレコメンドが行われるという。「万年筆アイテムを選んで本棚に飾ると、そこから想定されるジャンルの本が本棚に並べられる」(同)仕組みで、そこから気に入った本を購入できる。アイテムを変えたり、組み合わせを変えることで、予期しない本が現れる。新たな本との出会いを演出するというわけだ。
もうひとつが「特集記事」。テーマに沿った本が紹介され、「偶発的な出会い」(同)を狙う。たとえば、「働くことを考える」というテーマから、ビジネスに役立つ書籍などがピックアップされるという。こうしたReader Storeのレコメンド機能については、ブックディレクターでBACH代表の幅允孝氏がアドバイザーとして参加している。「本とのステキな出会いを提供していきたい」(同)考えだ。
まずは読書好きに向けた十分なデバイスを
今回のReader/ Reader Storeでは、まずは「読書家の方に、新しい読書体験を体験してもらう」(同)ことを狙っている。国内では、"1カ月間の購読数が3冊以上"という人が21%おり、この層が購読書籍全体の63%を占めているという。「Readerはまず、この2千万人の読書好きにフォーカス」(同)することで、訴求を図っていく考えだ。
この1カ月に3冊以上の本を購入する人のうち、54%が電子書籍に興味を持っており、その内81%が"本が場所を取らない"、76%が"たくさんの本を持ち歩ける"という点を期待していたという。栗田社長は、Readerによってこの2点の期待に応えられる、と強調する。
次のページでは、"読書好き"も納得の電子ペーパー搭載端末『Reader』2機種を写真と動画でチェックしていく。……つづきを読む