KDDIが本気を出して日本向けに開発したスマートフォン「IS03」が26日から発売された。発売を機に、KDDIではヨドバシカメラマルチメディアAkibaとビックカメラ有楽町本店でイベントを開催し、IS03のデビューを飾った。
朝のヨドバシでのイベントからビックカメラに移動した田中孝司専務は、10月4日の発表から2カ月弱が経ち、「やっとこの日が来た」と喜びを表現。10月中旬からは購入宣言をして実際に購入すると、バッテリーを1つプレゼントする事前購入宣言を始めていたが、宣言したユーザー数が前日までの段階で27万件にも達したという。
宣言自体は正式な予約ではないが、これだけの数が集まったことに対して田中専務は「とんでもない数。KDDI創業以来、これだけの予約(宣言)が集まったのは初めて」と手応えを感じているようだ。実際の予約数は明らかにされなかったが、IS03の事前人気を背景に田中専務は、「auの復活を開始したい」と意気込む。
実際、27万件の事前宣言に対し、初回出荷数は一部で足りていない店舗もあったが、KDDIではシャープに対して積極的な製造を依頼しており、一部報道であった「60万台を発注した」という数字に対して田中専務は「それどころじゃない」と表現。かなりの台数を準備していることを明らかにしている。ただし、実際に購入予定者の手元に届くのは「年末までには何とか」といった状況だという。
KDDIは、スマートフォンへの参入が遅れてシェアを落とし、その打開を目指して満を持して送り出すのがIS03だ。OSにAndroid 2.1を採用することに加え、おサイフケータイ、ワンセグ、赤外線、絵文字など、従来までの携帯電話で使われてきた機能を搭載し、日本市場に注力した製品だ。
田中専務は「日本人向けケータイとして1台持ちを狙っている」ことが事前人気につながったとみているほか、常時時計を表示できる画面下部のメモリ液晶のような、「日本人が必要とする機能がすべて入っている」こともポイントとしてあげる。
IS03では、Skype auとして対応端末同士は無料の音声通話ができる機能を搭載したが、田中専務は、新たなauユーザーが増える点、またプレゼンス情報などの更新にはパケット通信が使われてパケット利用料が向上できるという2点を挙げ、全体では増収になるとみている。田中専務によれば同様の機能をすでに提供している米Verison Wirelessでも同じ傾向にあるとのことで、今後に期待を寄せる。「電話(音声通話)が無料になる時代がいずれは来る。それを最初にやるのがauという意気込み」(同)でSkype auを提供するという。
販売を行うビックカメラ有楽町本店では、店内に専用ブースを設けるほか、店頭にも展示ブースを設置してアピール。ビックカメラの宮嶋宏幸社長は、IS03を「全部載せスマートフォン」と表現し、1台ですべての携帯の機能が利用できる点をメリットとしてあげる。
なお、ビックカメラ有楽町本店では、前日までの段階で1,200台弱の予約があったとのことで、すでに予約者でも当日の引き渡しはできない状態になっていた。現時点では次の入荷は未定とのことだが、今後、順次端末は入荷していく予定だ。
IS03のレビュー記事はこちら
おサイフ・ワンセグ対応のauスマートフォン「IS03」を試す
第1回 外観と液晶周りをチェック
第2回 UIと日本語入力機能をチェック