俳優の松山ケンイチが、2012年度のNHK大河ドラマ『平清盛』の主演を務めることになり、25日、東京・渋谷の同局で行われた発表会見に出席した。
2012年度のNHK大河ドラマ『平清盛』の主役に抜てきされた松山ケンイチ 拡大画像を見る |
松山は「1年かけて心をこめて演じることができたら幸せです。スタッフとともに日本を元気にさせるようなエネルギーのある作品にしていきたいです」と意気込んだ。
大河ドラマではこれまでに4人が清盛を演じ、主役が清盛となるのは『新・平家物語』(1972年)の仲代達矢以来40年ぶり。過去4作品では主に晩年が描かれてきたが、同ドラマの磯智明チーフプロデューサーは「20~30代を半年かけて描く」としており、松山について「役作りに対するひたむきな思いと努力が印象深い方。難しい役で前へ進められるのはこの人しかいないと思いました。人間的な魅力もありますし、若さを武器にしてほしい」と起用理由を述べながら、期待を寄せた。
松山は「清盛を演じるのは難しいと思いますし、自分との共通点もないのでプレッシャーもある」としつつ、「自分が清盛を演じるのは若すぎる感じがしましたが、尊敬する役者の中井貴一(1988年の『武田信玄』で主演)さんに相談したら『オレとまったく同じ境遇だ。これまで主役を演じたのは50人しかいないんだぞ。覚悟してやったほうがいい』と言われ、自分の中で決心しました」と話し、決意をにじませた。
また、主役のオファーより以前に同ドラマが"『家族との絆』を描く"ことを知り、興味を持ったという松山は「家族との繋がりの大切さを再認識するべきだと思っていたので強い興味を持ち、ぜひやらせていただきたいと思ってマネージャーに問い合わせをしてもらいました」と"立候補"したことを明かし、「一つの歯車として関わりたいと思っていたのですが、まさか清盛を演じることになるとは。驚きでした」と話した。
現在は、「清盛について猛勉強中です」という松山。「若いころは多くの苦悩があって、複雑な人生を歩んだ人物。ほかの作品では悪く描かれていますが、それは清盛の人生の一部であって、まだまだ描かれていない事実がある。それをどんどん演じていければと思います」と新たな"清盛像"を打ち出すと宣言し、今後の役作りについても「弓をやりたいですね。とても大事なシーンがあるので」と意欲を見せていた。
平安末期、平氏の棟梁となり、福原(神戸)に貿易港を造って中国との貿易で巨万の富を築き、栄華を極めた平清盛。ドラマでは、"無頼の高平太"と呼ばれた不遇の少年時代や海賊退治で名をはせた青年時代と、清盛の死後、平氏が壇ノ浦の戦いで源氏に破れて滅亡するまでも描かれる。
NHK大河ドラマ『平清盛』は2012年1月より放送スタート。