「MadAppLauncher」で

アプリケーションランチャーの魅力は、簡単にアプリケーションを起動できるところにある。スタートメニューやデスクトップのショートカットからの動作よりも少ない工程でブラウザやExcelを呼び出せる。ランチャーでは登録できる数が物足りないと感じるものも少なくない。アプリケーションだけであるならまだしも、ファイルやフォルダも登録しておきたいとなるともう少し登録できればと思うものも多い。今回紹介する「MadAppLauncher」では300までアプリケーションやファイル、フォルダを登録できるので、たいていのやりたいことはフォローできるランチャーといえるだろう。カスタマイズ可能なショートカットキー設定、シンプルながら使いやすいユーザーインタフェースなどなかなか実用的なオープンソースソフトである。

注意:本稿では、ソフトウェアのインストールを行っていますが、ソフトウェアの利用は使用者の責任で行ってください。

「MadAppLauncher」はSourceForgeのWebサイトへアクセスし[Dowaload Now!]のボタンを押すとインストーラーを入手することができる。あとは、インストーラーをダブルクリックし、指示に従ってインストールすればよい(図1/2)。

図1SourceForgeのWebサイトへアクセス

図2インストーラーをゲットし、ダブルクリックでインストールする

起動すると使い方が一目でわかってしまうほどシンプルなユーザーインタフェースが現れる。[QWERT]の並びでだいたい想像できる。キーボードの配列を中心にランチャーの呼び出しを考えてあるのだ。上の方にあるタブ1-10の10個のタブにも同じ配列がある。30×10で300個の登録が可能なランチャーとなる(図3)。

図3メタリックかつインパクトのあるユーザーインタフェースが出現する

まず設定しておきたいのが、「MadAppLauncher」自体の呼び出しの設定。これを設定しておくことで、いつでもショートカットキーでこのランチャーを呼び出し、そこから300のプログラムなりファイル、フォルダを呼び出せるようになる。実際に使ってみるとわかるのだが、「MadAppLauncher」自体をいかにスマートに呼び出すか否かで利用価値が大きく変わる。ショートカットキーは[Settings]の[HotKey]から設定する(図4)。筆者は[Ctrl]+[m]に設定した。[m]はMadAppLauncherの頭文字である。

[View]メニューでは、操作後にオートで隠れる[Auto Hide]、常にほかのアプリケーションより優先して表示するか否かを決める[Always On Top]、中央配置にするか否かの[Always Center On Screen]を決定できる(図5)。細かい操作性が善し悪しを決定してしまうランチャーだけに、このあたりは事前にしっかり設定しておこう。

図4[Settings]の[HotKey]。ここで「MadAppLauncher」の呼び出しショートカットキー自体を設定しておく

図5Viewでは呼び出し時の表示ポジションを設定

各キーの割り当ては、直接のドラッグ&ドロップ(図6)または、キーボタンを右クリックで表示される[Edit]から行う。[Target:]の右側にある[Browse]ボタンをクリックし、目的のアプリケーションやファイルなどがある階層を探し出してダブルクリックすると設定される(図7/8)。しかし、やはりこの壮大な表示領域を自分の色に染めていくおもしろさを味わうには、ドラッグ&ドロップを勧める。何よりも簡単である。設定後もアイコンをドラッグ&ドロップでキーの割り当てが可能だ。

図6アプリケーションの登録はアプリケーションやファイル、フォルダの直接ドラッグ&ドロップ

図7またはキーのならびを右クリックして[Edit]

図8詳細に決定していく方法も

さらにこれも特筆すべき機能なのだが、各アプリケーションの起動時のウィンドウの配置を個別に設定できる(図9)。右クリックで表示される[Edit]の[Appearance]でこれを設定する。外枠の四角はデスクトップ全体を意味するので、少々でかすぎではないか?とも思うが、今後のバージョンアップさらなる設定を期待したい。

図9Appearanceからは、呼び出すアプリケーションの表示位置も決定できる

タブは10個存在するがタブ自体も右クリックで編集可能だ。アプリケーション、データ、ツール、スクリプト、マルチメディアなど登録しているツールの機能ごと名称でもよいし、資料収集、趣味、仕事、経理など目的ごとの名称で管理してもよいだろう(図10)。

図10なかなか300個のアプリケーションを設定することは難しいだろう。フォルダやファイルの分類の仕方では重複してもよいと思う。タブ自体を右クリックすることでネーミングを変えることができる。

Fileメニューからは、これら設定の登録の状態を保存できるので、実際には登録できるアプリケーションは無限に広がる(図11)。経理作業用のランチャー、Web情報収集用のランチャー、プログラミング作業用のランチャー、などその都度カスタマイズしたランチャーができる点などよく考えられており、シンプルながらユーザーのニーズをとらえているソフトと言える。キーボードのみで軽快に呼び出して操作するには多少のコツがある。これを考えておくとより使い勝手が向上する。

図11Fileメニューから設定を保存/読み込み、できるので実際にはほぼ無限のランチャーを作成可能だ

先述した[Settings]の[HotKey]でショートカットキーの割り当てを行っておき、[View]の設定では[Auto Hide]を指定しておく。キーボードのみで「MadAppLauncher」を自在に呼び出せる。キーボードの矢印キーでタブ上の移動、そのまま目的のアプリケーションが配置してあるQWERTYキーを押せばすべてキーボード上での操作で完了するのだが、この時にマウスを使って操作すると「MadAppLauncher」がマウスの位置を覚えてしまい、キーボードのみの快適な操作ができなくなってしまう。呼び出すときには、マウスでなくキーボード上のキーを使う習慣を付けておくとより軽快に扱える。