本稿では、このコマンドプロンプト上で動作するコマンドや、特定の作業を自動化するバッチファイルを使用し、ライフハック的な活用方法を紹介していきます。
「start」コマンドでプログラムを起動
朝、会社に出社して仕事を始めるには、各アプリケーションを起動するのが最初の作業となります。例えば社内LANに設置されているイントラネットにアクセスするなら、Internet Explorerを起動し、自身のレジメを確認するためにWordを起動。ワークシートで管理している場合はExcelを起動することもあるでしょう。このように、アプリケーションの種類は異なりますが、「必ず特定のアプリケーションを起動する」という動作は共通します。
なかにはWindows OSのスタートアップフォルダーにショートカットファイルを作成し、各アプリケーションを起動している方もおられるかも知れません。しかし、スタートアップフォルダーを用いるということは、ログオン時にじアプリケーションの起動を実行することになるため、外出時は各アプリケーションが不要なシチュエーションでは煩雑な存在となってしまいます。そこで、各アプリケーションを起動するバッチファイルを作成してみましょう。
ここでは、Internet ExplorerとExcelを起動し、エクスプローラーで作業フォルダーを開く作業を自動化するには、バッチファイルなどからプログラムやコマンドを実行する「start」コマンドを使用します。まずはリスト01をご覧ください。
リスト01
@echo off
setlocal
set run01="%ProgramFiles%\Internet Explorer\iexplore.exe"
set opt01=http://www.google.co.jp
set run02="%USERPROFILE%\Documents\memo.xlsx"
set run03="%USERPROFILE%\Documents\P_MYCOM"
:execute
start "" /B %run01% %opt01% || echo "Error %run01%"
start "" /B %run02% || echo "Error %run02%"
start "" /B %run03% || echo "Error %run03%"
:end
endlocal
今回はお使いの環境に合わせてカスタマイズしやすくするため、各ローカル環境変数に実行するプログラムを登録しました。まず3~4行目のローカル環境変数は、ご覧のとおりInternet Explorerを実行するためのもの。「run01」にはInternet Explorerの実行ファイルである「iexplore.exe」までのパスを含めていますが、64ビット版Windows 7の場合、通常使用するInternet Explorerは32ビット版となりますので、「set run01="%ProgramFiles(x86)%\Internet Explorer\iexplore.exe"」という記述に変更してください。「opt01」は起動時にアクセスするURLですので、イントラネットのURLなどに置き換えましょう。
5~6行目のローカル環境変数は、それぞれファイルおよびフォルダーが値として設定されているため、首をかしげる方もおられるのではないでしょうか。バッチファイルやコマンドプロンプト上からファイルを実行しますと、関連付けられたアプリケーションが起動し、ファイルを開きます。フォルダーの場合はバッチファイル内では自動的にエクスプローラーの引数として用いられるため、このような記述にしました。それぞれのローカル環境変数をお使いのレジメファイル、および作業フォルダーのパス名に変更してください。
ちなみに9~11行目にある「~|| echo "Error %run01%"」は、「start」コマンドが正しく実行されなかった場合、標準出力にエラーメッセージを表示させるための記述です。今回はバッチファイルをダブルクリックで実行しますので、あまり意味がありません。それでも正しく動作しないときは、バッチファイルをコマンドプロンプト上から実行すれば、エラーメッセージを確認できますので、正しく動作しない場面になってから記述してもいいでしょう。あとはバッチファイルを実行すれば、今回の例ではInternet Explorerで特定のWebサイトが開き、レジメファイルおよびフォルダーが開きます(図01~05)。
図01 [Win]+[R]キーを押し、ファイル名を指定して実行のテキストボックスに「notepad」と入力して<OK>ボタンをクリックします |
図04 先ほど作成したバッチファイル「Test01.bat」をダブルクリックします |