週末は率先して子どもの世話をしているという中嶌さん。食事づくりや洋服選びなどには理系らしいこだわりも……。
――料理が得意だそうですね
休日にはキッチンに立ち、健康面を意識したヘルシーでバランスのとれた食事を作っています。野菜は必ず入れますし、魚の煮つけなんかも作ります。おかげで和食の好きな子に育っていますね。最近は豆腐ハンバーグを作ってあげると「おいしい」って喜んでくれて……。たまらないですね(笑)。そんな娘の姿が仕事の糧にもなっています。
――子育てするなかで薬剤師らしさとか理系っぽさとかが出ることはほかにもありますか
お医者さんでもらった処方箋はすべて見てしまいますね。「あ、これが出てるな」って(笑)。妻は保育園のほかのママから、薬のこととか病気のこととか相談されることもあるようです。同じ薬剤師同士なんですけど、薬の飲ませ方で妻と意見がぶつかったり……。よく考えると奇妙な光景ですね。
あとは、おもちゃは品質の良いものを選びますし、洋服は素材にこだわります。服に付いているタグもしっかり見ますよ。なるべく綿のものや、通気性の良いものを選んでいます。
パパ同士だからこそ最善の方法を考えたい
MRという専門性の高い仕事をしている中嶌さん。パパになったことが仕事でメリットになることもあるそうだ。
――子どもができて仕事への取り組み方は変わりましたか
子どもが生まれる前は早くても9時とか10時の帰宅だったのですが、今は早く帰れる日を増やすよう努力しています。仕事の効率は意識すると変わるものです。以前も(仕事に)優先順位をたてていましたが、よりしっかりとタイムマネージメントをするようになりました。
MRは忙しいイメージがあるようですが、会社が仕事と生活の両方を充実させていく方針を持っていることもあり、働きやすい環境にあると思います。仕事の性質上自分でスケジュールを調整しやすい点もいいですよ。
――パパであることが仕事面で役立ったことは?
抗がん剤を担当しているのですが、ガン患者の方にも子どもがまだ小さい20代、30代の方がいらっしゃいます。子どもと接する時間が限られているというなかで、できるだけ延命させてあげたい、できるだけ子どもとの時間をとってあげたい。もし私がそうだったら、あるいは妻がそうだったら……と想像できることが、患者さんのために最善のことを考える力になりますし、相手を説得する力にもなっているのではないかと思いますね。
――部下への接し方も変わった面はありますか
子どもがいる部下の気持ちがわかるようになったかな……。なんでも「いいよいいよ」というわけにはいかないのですが、例えば早く帰れる日を増やせるようメリハリをつけて仕事をしようとか、そんなことをディスカッションしたりしています。子育て中の女性社員への見方も変わりましたね。「うちと一緒だな。いろいろやりくりしながら頑張ってるんだな……」と。
目指すは理系一家!?
中嶌さん夫婦はそろって理系。となると子どもにも理系に進んでほしいもの? 子育て方針にも"理系イクメン"らしさが。
――娘さんにもやはり理系に進んでほしいものですか
そうですね。発想したり、モノをつくったり、創造したりできる理系の勉強には自分にメリットになることが多いと思うので。私はいま医療業界にいますが、抗がん剤で患者さんを助けられるということに誇りを持っています。娘にも医療業界に携わる仕事をしてほしいなあというのはありますね。あくまでも希望ですが。
娘が大きくなったら数学とか理科の勉強を教えてあげたいですね。自分は親が文系で教えてもらえなかったので。親子のコミュニケーションもそういう機会があればとりやすいのかなと考えています。
――子育ての方針は
社交性や相手を思いやる気持ちを育んであげたいですね。理系文系問わずコミュニケーション能力は必要。あとは、失敗したら失敗したといえる、うそをつかない人間になって欲しいとも思います。
1歳になる前から木の積み木を買い与えています。手先を動かすことは大事だと思うので。音楽とか踊りとかそういった芸術的なこともさせてみたいですね。私自身もピアノを習っていたこともありますし。英語もぜひできるようになってほしいです。
育児にはこれからも積極的に携わっていきたいですね。母親と子どもは一緒に成長するけど、父親が一緒に子どもの成長を見届けるというのは難しいことだと思います。でもそこを変えていきたい。子どもに寄り添って成長を見ていきたいですね。テストの結果について一緒に話したり、就職の相談を受けたり……そんな親子が理想です。