米国カリフォルニア州サンタアナを拠点とするSRS Labs,Inc.は、オーディオプロセシング処理ソリューションで業界をリードする企業だ。同社のプロダクト・マーケティング・ディレクターであるクレッグ・マーキング氏に、PC/携帯電話などに搭載されているSRSの最新サウンド技術と国内発売を間際に控えた「iWOW Adaptor for iPod and iPhone」についての話を伺った。
「CEATEC JAPAN 2010」に出展されたSRS Labsブース。社名のSRSは、アーノルド・クレイマン博士が1993年に開発した民生用の音響技術SRS(Sound Retrieval System -立体音場再生システム)に由来しているとのこと |
Windows Media PlayerやSliverlightにも採用されたSRS技術
「SRSの技術は、テレビ/パソコン/モバイル/車載デバイスなど幅広いジャンルで採用されており、今後も様々なパートナーと協力し、あらゆるシーンで最良のサウンド体験を提供していきたい」と語るクレッグ・マーキング氏 |
同社のサウンドテクノロジーの基礎は、同社の創始者アーノルド・クレイマン博士が、音響心理学理論をベースに開発したもの。実際に人間の耳がサウンドをどのように捉え、どう感じているかといった音声プロセスにおける人間的な要素を追求し設計したものとなっている。これまでに、同社が手掛けるオーディオ補正 / 音声処理 / サラウンドサウンドなどのサウンドおよび音声ソリューションは、薄型テレビなどのホームエンタテインメントをはじめ、パーソナルコンピュータ、携帯電話 / スマートフォン、車載用デバイスなど、各種分野において幅広く採用されているという。
また、「SRS 5.1サラウンドサウンド技術」は、2010年9月にマイクソフトのWebアプリケーション開発フレームワーク「Sliverlight」に採用されたことも発表されている。Silverlightで作成されたコンテンツに、本技術を採用したことにより、さらに高品位かつ低ビット効率でサラウンドサウンドを手軽に実現できるようになったとのこと。なお、マイクロソフトと同社の協力関係は長く、Windows Media Playerには2000年5月から10年以上に亘り同社の「SRS WOW」技術が標準搭載されている。つまり、ほとんどのPCユーザーが知らないうちにSRS技術の恩恵に与っているというわけだ。
ユーザー待望のiPhoneおよびiPod用iWOW Adaptorを体験
「CEATEC JAPAN 2010」の同社ブースでは、米国で発売され、話題をよんでいるiPhoneおよびiPod用アクセサリー「SRS iWOW Adaptor for iPod and iPhone」(以下、iWOW Adaptor)も初公開された。本製品を用いることで、音楽/映像/ゲームなどの様々なコンテンツの音質が向上し、臨場感溢れるサウンドを実現してくれるという。使い方はiPod/iPhoneのドックコネクタへダイレクトに接続するだけと非常にシンプルだ。
また、本製品にはiTunes用(PCM/Mac)などでもお馴染みの同社iWOWソフトウェアプラグイン「SRS iWOW Premium for iTunes」同等のテクノロジーを内蔵。ヘッドホンをはじめ、外付けスピーカー/車載オーディオシステムなどで、クリアでディテール感に優れたサウンドを楽しむことができる。iPod touch(2nd)、iPod Classic(120/160GB)、iPod nano(5th)、iPhone 3G/3GS/4、iPadでの利用が可能だ。さらに、AppStoreから無料ダウンロードできる「SRS iWOW App」を用いることにより、サラウンド/低域/広域の調整も簡単に行える。本製品は近日中には国内販売も開始されるとのことなので、サウンドにこだわるiPod/iPhoneユーザーは、ぜひともiWOW Adaptorを試してみてほしい。