モバイルリサーチを展開するネットエイジアは11日、携帯電話によるインターネットリサーチで実施した「改正貸金業法についての調査」の結果を公表した。これによると、「現在個人向けローンの借入を行っている」と答えた人のうち、「借入総額が年収の3分の1を超えている」人の割合は28.9%に上ることが分かった。
2010年6月18日に完全施行された改正貸金業法では、貸金業者の融資総額を借り手の年収の3分の1以下に抑える「総量規制」が導入されている。
ネットエイジアでは10月8日~10月11日、改正貸金業法に関連して、全国の20歳以上の男女で、有職者(パート・アルバイトを含む)と専業主婦の計2000人を対象に、携帯電話によるインターネットリサーチでアンケート調査を実施した。
調査ではまず初めに、回答者全員に「銀行や信託銀行、消費者金融会社、クレジットカード会社や信販会社などから、個人向けローンの借入(キャッシング)」を行ったことがあるか」という質問を単一回答形式で聞いた。
その結果、全体では18.7%が「現在借入を行っている」、22.5%が「過去に借入を行ったことがある(完済済み)」と回答、あわせて41.2%の回答者が「借入経験あり」と答えた。性別で比較をすると、女性よりも男性の方が「借入経験あり」と答えた割合が高く、女性が32.6%であったのに対し、男性では約半数の49.8%が「あり」と答えた。また年代別に見ると、40代では比較的利用率が高く、49.2%が「借入経験あり」と回答した。
次に、「現在借入を行っている」と答えた374人に、「借入総額が年収の3分の1を超えているか」という質問をしたところ、28.9%にあたる108人の回答者が「3分の1を超えている」と回答した。
また、回答者全員に「改正貸金業法が2010年6月18日に完全施行されたことを知っていたか」という質問を単一回答形式で聞いたところ、全体では53.2%が「知っていた」、27.8%が「なんとなく知っていた」と回答し、あわせて80.9%の人が認知していた。性別で比較をすると、男性の方が女性よりも認知している割合が高く、女性の認知率が75.3%であったのに対し、男性の認知率は11.2ポイント高い86.5%だった。
さらに、回答者全員に「改正貸金業法の完全施行の影響として、社会問題化する可能性が高いと思うもの」を複数回答形式で聞いてみたところ、全体の81.1%の人が、「借りられなくなった人が『ヤミ金』に流れたりする状況が多くなる」と回答した。次いで、「個人事業主の資金繰りの確保が困難な状況が多くなる」が49.0%、「自己破産者が増加する」が46.1%、「消費者金融会社等の破綻が増加する」が30.2%、「消費者金融会社等の破綻で、過払い金返還額がカットされる問題が発生する」が25.5%と続いた。