米Xi3は11月10日(現地時間)、小型コンピュータ「Xi3 Modular Computer」を公開した。アルミニウム製の本体ケースは、縦横が約10センチの手のひらサイズのキューブ型。中にはプロセッサ/メモリ、ディスプレイ/電源、I/Oの3つのボードが入っており、これらを交換することで柔軟に構成を変えられるように設計されている。Modular Computer単独で小型デスクトップパソコンとして使用できるほか、複数のModular Computerを接続したソリューションも構築可能。パソコンやワークステーションとして、またローエンドの組み込みデバイスからスーパーコンピュータを必要とするアプリケーションまで幅広く対応できる。

標準構成では、プロセッサがAthlon 64 Dual Core 3400e (1.8GHz)、チップセットはAMD 780E/ SB710

Xi3は創設者のJason Sullivan氏が「まったく白紙の状態で、いまパソコンをデザインしたら20-30年前とはどのように異なったものになるか?」と自問したことから始まった。いまの理想的なパソコンの条件として以下のようなポイントを挙げている。

左から、ディスプレイ/電源、プロセッサ/メモリ、I/O

  • 容易に修理/アップグレード/アップデートできる
  • 量産に適していて価格を抑えられる
  • 幅広い用途やアプリケーションに対応できる
  • エコフレンドリー
  • 堅固で軽量
  • 美的に優れたデザイン

Xi3 Modular Computerは1台のサイズが101.6×92.8×92.8ミリ。重量は680グラム以上となっている。ディスプレイ/電源ボードとI/Oボードはそれぞれにポートを備えるが、ケースに3枚のボードを収めるとすべてののポートに1面からアクセスできるようにデザインされている。

評価およびコンセプト証明のために、Xi3のサイトを通じた数量限定の販売が10日から始まっている。標準構成は、プロセッサ/メモリ・ボードがAthlon 64 Dual Core 3400e (22W)と2GBのDDR2メモリ、8GBのFlashドライブ内蔵、OSがSUSE Linuxで、価格は849ドル。Windows (Windows 7/ Windows Home Server/ Windows 7 Embedded)を利用するには、内蔵FlashドライブではなくeSATA接続の外付けHDDが必要になる。

Xi3ベースのModular Computer同士を結んだ拡張ソリューション用に、Xi3アーキテクチャには「Xm3dia」という独自のバスシステムが組み込まれている。また1台のXi3 Modular Computerを最大4人で共有できるようにするZ3RO Module(1台250ドル)を用意している。Z3RO ModuleでModular Computerに接続しているユーザーはそれぞれが独立して作業でき、これをXi3は「Modular Virtualization」と呼んでいる。処理能力をそれほど必要としない作業において、全体のシステムコストと電力消費を抑えるソリューションになる。

Xm3dia

Z3RO Module