ユニクロはこのほど、20~50代の男女を対象に実施した『脚(腰から下、下半身)の冷えに関する実態調査』の結果を公表した。また、同社が10日行った「暖パン。」商品説明会では、目黒西口クリニックの南雲久美子院長が講演し、冷え症を予防する服装についてアドバイスを行った。
同調査は、10月29日から11月1日にかけてWEBアンケートを行い、年代・性別ごとに50名ずつ、計400名から有効回答を得た。
調査結果によると、下半身の冷えを感じる人は、女性が92.0%で、男性も71.0%に及んだ。また、「冷え対策が重要」と思う人が全体の88.0%だったにもかかわらず、具体的な対策を講じていない人も多く、男性にいたっては6割が「あまり対策を取ることはない」「全く対策を取っていない」と答えた。冷え対策を行わない理由としては、「我慢できる程度だから」「面倒くさいから」「動きにくいから」などの回答が多数を占めた。
目黒西口クリニックの南雲久美子院長。「冷え症は夏に作られる」と指摘し、「エアコンが完備された環境では、脳の温度がしっかり保たれるように作用するため、下半身の温度は上半身より10度近く低くなっている可能性がある」と述べた |
10日の「暖パン。」商品説明会で講演を行った南雲氏は、冷え症の研究をライフワークとしている。同氏は、冷え症になりやすいタイプとして、「生まれつき胃腸が弱く、風邪をひきやすいなどの体質を持つ人に加え、現代では体が丈夫でも絶えずストレスにさらされ、過緊張状態になっている人が冷え症になることも多い。この『現代版冷え性』とも言えるタイプは、症状が非常に頑固で根深い」と指摘。女性の場合は生理不調や肌荒れ、しみ・ニキビなどの症状が現れると話した。
近年は男性の冷え症も増えているといい、「胃腸の不調により、すぐお腹を壊したり、胃のもたれがしばらく残ったりするなどの症状が見られる。デスクワークが多い人だと、排尿痛や頻尿、残尿感といった症状を抱える人も多い」と説明した。
こうした「現代版冷え症」への対策として南雲氏は、「頭寒足熱」の重要性を強調。「服を着るときも、暖めなければいけないのはお腹や腰から足首まで。理想的なのは"ブーツイン"で、ブーツと肌の間にジーンズが入ることで空気の断熱層ができ、足首がよく温まる。上半身については熱を逃がしてあげる必要があるので、吸汗性の高い素材を使った着脱しやすい服装でコントロールしてほしい」とアドバイスを送った。
ユニクロではこの冬、東レとカイハラとの共同開発商品「暖パン。」を発売する(商品の詳細は既報の通り)。男性用の防風ジーンズ、女性用のヒートテックジーンズなどが販売され、男女の"脚冷え"対策にも効果的な商品となっている。