シャープは9日、同社の研究委託により、東京大学大学院医学系研究科大橋靖雄教授らが、世界で初めて臨床試験において、高濃度プラズマクラスターイオン(イオン濃度10,000個/cm3)がインフルエンザウイルス感染率を低減させる傾向があることを確認したと発表した。
今回の試験では、国内44の病院施設の透析室において、イオン発生装置745台を設置。透析室をイオンありのエリアとイオンなしのエリアに区分けし、通院患者3,407名を対象として、一般的な検証方法である二重盲検法を用いて、インフルエンザ発症件数を約6ヶ月間にわたって調査した。その結果、イオンありのエリアでは、イオンなしのエリアに比べて、インフルエンザウイルスの感染率が約30%低減することが確認されたという。なお、インフルエンザ発症件数は合計23件(イオンなしで14件、ありで9件)だった。
大橋教授は、「臨床研究・疫学研究を通じた更なる検討が必要ですが、プラズマクラスター技術がうがい・手洗いのように日常のインフルエンザ感染リスク低減対策の1つとして位置づけられることを期待します」とコメントを寄せている。