「貿易収支」は9,269億円の黒字。輸出、輸入ともに増加しているが、輸出の増加幅が輸入の増加幅を上回り、前年同月比で3,220億円(53.2%)黒字幅が拡大した。輸出は5兆5,474億円(15.9%)の増加。輸入は4兆6,205億円で同4,391億円(10.5%)の増加だった。輸出は10カ月、輸入は9カ月連続で前年同月を上回っている。
同省関税局がまとめた9月分貿易統計によると、輸出ではアジア向けが14.3%増、中南米向けが48.9%増、米国向けが10.4%増。商品別では自動車が885億円(12.0%)増、船舶が696億円(43.5%)増、鉄鋼が517億円(19.4%)増などとなっている。輸入はアジア向けが14.4%増、大洋州向けが28.1%増、東欧・ロシア等向けが59.0%増。商品別では液化天然ガスが655億円(28.9%)増、鉄鉱石が536億円(73.8%)増、石炭が334億円(22.7%)増などとなっている。
サービス収支は699億円の赤字。前年同月比では367億円の赤字幅拡大となった。特許等使用料の受取減少などで、「その他サービス」の黒字幅が縮小したことなどが要因。
所得収支は1兆1,810億円の黒字。前年同月比では1,016億円(9.4%)の黒字幅拡大。海外企業からの配当金及び再投資収益の受取増加等で、所得収支の黒字幅が拡大した。増加は2カ月連続。
国際局為替市場課の担当者は、「単月、単月でみると輸出、輸入の伸び率の違いは出てくるが、長い目でみると、リーマンショック後の回復過程の中にあるといえる」と話している。
2010年上期の貿易収支は4兆747億円の黒字で、前年同期比で1兆5,637億円(62.3%)の黒字幅拡大となっている。輸出は32兆3,259億円で同6兆7,918億円(26.6%)の増加。輸入は28兆2,512億円で同5兆2,281億円(22.7%)の増加。輸出は2期連続、輸入は4期ぶりの増加となる。