映画『武士の家計簿』の完成披露試写会が8日、都内で行われ、堺雅人、仲間由紀恵、松坂慶子、中村雅俊、西村雅彦、大八木凱斗、森田芳光監督が舞台あいさつを行った。
映画『武士の家計簿』の完成披露試写会に出席した仲間由紀恵 拡大画像を見る |
『武士の家計簿』は、歴史教養書「『賀藩御算用者』の幕末維新」を原作とした時代劇。実在した武士の家計簿に基づき、刀ではなく"そろばん"で生き抜いた御用算者(経理係)の武士・猪山直之(堺)とその家族が、苦しい家計をやりくりしながら生活していく姿を描いた家族ドラマ。
堅実な武士を演じた堺は、「この作品は、金沢の町を舞台としています。どの時代の、どの地方にも力強い生活があったんだと、あらためて思い知らされました」とあいさつ。実話に基づいた作品であることについても触れ、「歴史的に価値のある家計簿が発見され、その資料から見えてくる部分があります。その一方で、物語にしなければなかなか伝わらないこともあり、その両方が盛り込まれた映画になりました」と説明した。そんな堺演じる猪山を支えた妻・駒を演じた仲間は、作品の舞台となった金沢の伝統工芸品・加賀友禅姿で登壇。「貧しいけれど工夫をしながら生きていく家族の物語です。温かい時間が流れる作品なんですよ」と作品を紹介しつつ、「大監督の森田さんの作品に出演できたこともうれしく思っています」と感慨深げに話した。
仲間と同じく加賀友禅を着て登場した松坂も、森田監督作品への思いについて言及。「監督とは、わたしが『愛の水中花』を歌っていたころ(1979年)にラジオで共演したことがあるんです。その時に、"いつか監督の作品に出たい"というお話をしたんですよ。30年も経ってようやく実現しました」とこちらも感慨深げにコメント。さらに、西村も続き、「僕が監督とご一緒したのは『黒い家』以来、約10年ぶり。もう、うれしくって! 興奮を抑えながら現場に行き、発狂しそうになる自分に耐えながら参加した作品です。ご覧になる皆さんには"物のある豊かさ"とは違う"物の無い豊かさ"に気付きながら劇場を後にしてほしいなぁ。物が無いのも悪くねぇぞ…という感じの映画だからね」と独特のテイストで作品をアピールしていた。
加賀友禅の艶やかな着物について仲間は「あまり着る機会がないので、ありがたいというか光栄です!」と笑顔 |
金沢の郷土玩具・加賀八幡起上がり(かがはちまんおきあがり)と共に登壇した大八木凱斗(おおやぎかいと) |
映画『武士の家計簿』は12月4日(土)より全国ロードショー。