11月10日に幕張メッセで開幕するFPD International 2010において、中国のHanvon TechnologyがE Inkのカラー電子ペーパー技術の採用を発表する。米New York Timesが7日(米国時間)に報じた。最初の製品は、ディスプレイサイズが9.68インチの電子書籍リーダーになるという。来年3月に中国で発売される予定で、価格は440USドル(約36000円)程度。
E Inkペーパーは液晶ディスプレイよりも消費電力が少なく、表示が目に優しいため、AmazonのKindleやSony Readerなどの電子書籍リーダーに採用されている。課題は応答速度と表現力。レスポンスが着実に改善されてきた一方、表示は最大16階調のグレースケールのままで、レシピ集や絵本、雑誌など、写真やイラストが使われたコンテンツを十分にサポートできていないのが現状だ。カラー電子ペーパーは電子書籍の幅を広げる技術になり得るが、E Inkを含むカラー電子ペーパーの開発に取り組むメーカーはこれまで発色やコントラストの改良に苦慮していた。今回のHanvonの発表が、カラー電子ペーパーの実用レベルへの到達を意味するのかが注目される。