マイクロソフトは8日、報道関係者向けの説明会を開催し、年末商戦への取り組みを紹介した。Windows 7/Office 2010とも好調の中、Windows 7における上位エディションの訴求、Office 2010におけるPowerPointによる文書作成のプロモーションなどの施策が示された。
Windows 7/Office 2010とも7-9月期の販売は好調
席上では、まず執行役 ホーム&エンターテイメント事業本部 リテールビジネス事業部長の五十嵐章氏が年末商戦におけるリテールでの展開について説明した。五十嵐氏は、7-9月期のWindows PCの販売状況が前年比で114%の成長となったという調査結果を示し、とくにその中でいわゆるネットブックを除くスタンダードPCの比率が高まり、前年比で133%となっている点を強調。マイクロソフトからは今期、Windows 7 Home Premium/Professionalという上位エディションの訴求を図ってきたが、年末商戦でも引き続き同様のメッセージを展開していくという。
Office製品については、Office 2010の発売直後ということもあり、7-9月期は昨年の10-12月期の約1.8倍に成長したという。また、同社のユーザー調査では、満足度において前バージョンのOffice 2007と比較して20ポイントアップしたという数字が示された。
BlueTrackテクノロジーを採用したマウス製品については、現在進行中のプロジェクト「BlueTrack Extreme Chalenge」が紹介された。これは、登山家の粟城史多氏やパイロットの室谷義秀氏の協力により、エベレストのベースキャンプや航空機のガレージのような過酷な環境下でマウスを使用し、BlueTrackテクノロジーのメリットを訴求するプロジェクトという。
また、10月27日に発売されたばかりのOffice for Mac 2011についても、Windows版との親和性の向上、起動・操作の速度向上がユーザーに好評で受け入れられ、発売開始以来、前バージョンを上回る売れ行きを記録しているとした。
販売向上の施策としては、販売員向け製品トレーニングの実施により、店頭における来店客への情報提供を支援するという。また、Windows 7/Office 2010それぞれについて、年末向けの店頭イベントを展開していく。さらに、購入前のユーザーにさまざまな情報を提供する「ユーモール」、購入後のユーザーに対する情報提供を行う「Club Microsoft」というオンラインプロモーションについても紹介した。
さらに、11月20日に日本での発売を予定している「Kinect」については、米国での販売が好調なことを報告し、台数限定のスペシャルエディション(Xbox 360 250GB+Kinectのセット)を含む製品ラインナップを紹介。対応ソフトや店頭展開、トレーニングや店頭体験などについても言及した。
Office 2010のプレインストールはHome and Businessが中心に
続いて登壇した執行役 オフィスプレインストール事業統括本部長の宗像淳氏は、これまではプレインストールの中心がPersonalであったのが、Office 2010のプレインストールモデルではHome and Businessが中心になったというデータを紹介。6月の商戦期に発売されたPCの74%の機種にHome and Businessがインストールされており、また2010年秋冬モデルの販売シェアで93.6%にHome and Businessがプレインストールされるという予測を示した。
この要因としては、PowerPointが普及段階に達したことが大きいと分析。PowerPointはたんなるプレゼンテーションソフトとしてでなく、簡易的に各種のメディアを取り扱える編集ソフトとして位置づけられているのではないかという見方を示し、文書を閲覧するだけでなく作成する機能を強くアピールしていきたいとした。
具体的な施策としては、シーズン企画の第1弾として年末向けにはPowerPointを利用した「動きだす年賀状を作ろう」というプロモーション・サービスを展開していくという。この企画では、動きだす年賀状のテンプレート143種類を無償提供し、また動画閲覧用のアップデートサイトを2011年1月末まで提供する。これに続く第2弾としては、春の新生活シーズンに「Office 2010で新生活をはじめよう」という企画を展開する予定。