LSI日本法人であるLSIロジックのチャネル・セールス&マーケティング担当マネージャーである橋本博文氏 |
CTS2600シリーズは、DSA(Direct Attached Storage)およびSAN(Storage Area Network)環境を活用している中小規模ビジネス(SMB)の最適化を目指して設計されたもので、シャーシ、コントローラ、ディスクドライブを部品ごとに組み合わせることが可能な手ごろな価格を意識した外部ストレージコンポーネント。同社では「20年以上のシステム設計経験と、幅広い負荷環境や市場セグメントに対して実績を有する40万システムを超すストレージシステムの経験を基に開発を行ったもので、初めてチャネル向けに提供する外部ストレージコントローラ+システム」(LSI日本法人であるLSIロジックのチャネル・セールス&マーケティング担当マネージャーである橋本博文氏)としている。シャーシは12台の3.5インチドライブが搭載可能な「CTS2600-12」、24台の2.5インチドライブが搭載可能な「CTS2600-24」の2タイプの2Uエンクロージャが設定されている。
これでLSIが提供するチャネル向けシステム関連製品は、2010年10月に販売を開始したSASスイッチおよび同3月に発表したストレージ筐体「JBOD」に続き3製品目となる。
CTSシリーズは、同社がOEM向けに提供してきた同様のシステム「Engenio 2600」 のチャネル向け製品と目されるが、LSIブランドでの販売ではなく「LSIはあくまで裏方。SIerのブランドとして販売することが可能なシステム」(橋本氏)であり、価格としても、フル装備の状態で「ローエンドではないが、ミドルレンジまでは行かない価格帯」とのことで、2万ドル以下になることを意識して作られたという。
ドライブからバックプレーン、コントローラ、ホストまですべて6Gbps SASで統一されており、マルチプロトコル・ホスト接続として、「6Gbps SAS×4ポート(Simplex/Duplex)」、「6Gbps SAS×2ポート+8Gbps FC×4ポート(Simplex/Duplex)」、「6Gbps SAS×2ポート+1Gbps iSCSI×4ポート(Simplex/Duplex)」の組み合わせを選択可能なほか、各コントローラごとに2GBのキャッシュ(ミラーキャッシュとバッテリによる不揮発性キャッシュ保護を実現)を搭載することで高信頼性を確保している。
また、対応HDDおよびSSDは現在、3.5インチHDDがSeagate TechnologyのデュアルポートSAS製品6製品、2.5インチHDDがSeagate Savvio 10K.4シリーズ2製品、3.5インチSSDがPliant TechnologyのLightning LSの146GB品と300GB品となっている。
対応HDD/SSDについては、「LSIでQualificationを行ったものを提供しており、現在のラインアップはOEM向けにそれがすでに終えているもの」(Blanchard氏)とする。また、「この作業には何百万ドルもコストがかかるし時間もかかる」としながらも、2011年には対応ラインアップをさらに増やしていく方針であるとした。
CST2600シリーズは電源はEnergy Star、80 PLUSエネルギー効率、Climate Savers Computing仕様にも適合した冗長化2重AC電源ユニットを採用しているほか、拡張ユニット用スロットも用意しており、ホット・スワップおよび冗長コンポーネント、自動化されたパス・フェイル・オーバー、オンライン・ダイナミックRAID管理能力などと組み合わせることで、高い信頼性と可用性が実現可能となっている。
シーケンシャル・リードで最大4,000MBps、ランダム・リードで40000IOPS以上のバンド幅を安定して提供することが可能で、複数システムをつなぐことで最大96ドライブまで混合構成で搭載することができるようになっている。
なお、同社では今後もOEMで培った技術をチャネルに転用していく方針で、2010年3月に発表したPCI Express(PCIe)ベースのソリッド・ステート・ストレージ(SSS)ソリューション「LSI SSS6200 PCIe SSSカード(開発コード名:War Hawk)」を11月中より提供していく予定としている。