ソフトバンクは11月4日、全機種に最新OSであるAndroid 2.2を搭載したスマートフォン6機種を発表した。その中で、注目なのはシャープの電子書籍端末「GALAPAGOS」ブランドを冠したスマートフォン2機種。「ガラパゴスというと、"ガラケー"といわれて、普段はいい意味では使われない」(孫正義社長)が、その中で独自に進化した日本の携帯文化に対して「日本特有の機能を全部載せこんだAndroidケータイ。スマートフォンと日本の携帯の融合」(同)を目指した端末だ。

GALAPAGOSを持つ孫正義社長(左)と、同社のCMでおなじみの上戸彩さん(中央)と松田翔太さんも登場

GALAPAGOSは、フルタッチ液晶を搭載した「GALAPAGOS SoftBank 003SH」と、スライド式のQWERTYキーボードを搭載した「GALAPAGOS SoftBank 005SH」の2モデルを用意。3D液晶や日本独自機能などの基本機能は同等だ。

両端末ともに、iPhoneを含め、従来のスマートフォンにはほとんどなかったワンセグ、おサイフケータイ、赤外線通信、デコレメールといった機能をすべて搭載。従来の携帯電話(フィーチャーフォン)ユーザーでも移行しやすいような端末に仕上げた。シャープの担当者によれば、GALAPAGOSはもともとAndroid 2.1で開発していたが、ソフトバンク側の要望で、途中からAndroid 2.2での開発に移行したそうだ。

日本のフィーチャーフォン固有の機能に対応したことについて、上戸さん(左)はデコレメールの対応を喜ぶ。「モノクロだけのメールは寂しい」と上戸さん。松田さんはスポーツ中継などでワンセグをよく見るほか、「Flashが見られるのが一番いい」とコメント

最大の特徴は、3D映像を裸眼で閲覧できる3D液晶を搭載した点。特殊なメガネを装着する必要がないため、気軽に3D映像を見られる。3Dコンテンツは、右目用、左目用で少しずつずらして同時に撮影した画像を合成しており、それを視差バリア方式の3D液晶で閲覧する仕組み。

3D液晶の仕組み。人間の視差を利用し、バリアによって右目と左目に別の画像を同時に見せ、立体視させるという仕組み

GALAPAGOSのカメラで3D画像も撮影できる。1枚目と2枚目を横にずらして撮影する

このサイド・バイ・サイド方式で撮影された画像、動画であれば、GALAPAGOSを使って裸眼で3Dコンテンツを閲覧できる。GALAPAGOS自身でも3D写真の撮影が可能で、画面の指示に従って1枚目を撮影したあと、横に本体をずらして2枚目の画像を撮影すれば、その2枚の画像を合成して3D画像化してくれる。

発表会では孫社長が上戸さんと松田さんを撮影

実際の3D画像を興味深そうに見る上戸さんと松田さん

また、GALAPAGOSのカメラで撮影した2D画像や動画を3D化することも可能で、3D化した動画像を別ファイルとして保存することも可能。画像の場合、複数ファイルを1つのファイルとして保存するMPO形式で保存されており、その中に2枚の画像が含まれる仕組みだ。動画の場合は、1ファイルの中に縦方向の解像度が半分の動画2つが1ファイル内に含まれる形になる。なお、2D動画のリアルタイム3D変換も可能だが、その場合はファイルとして保存できないほか、著作権に配慮して、3D変換は自分が撮影した動画のみ行えるそうだ。

GALAPAGOSのホーム画面。左下にある2D/3Dアイコンをタッチすると、ホーム画面も3D表示になる

さらに、購入後すぐに3Dを体験できるように、3D映像や3Dゲームをプリインストールする。搭載されるのは「バイオハザード ディジェネレーション」など7ゲーム、「シュレック フォーエバー」「怪盗グルーの月泥棒 3D」など7つのムービーで、さらにソフトバンク傘下のUSTREAMが3D映像配信に対応する。たとえばパナソニックの3Dコンバージョンレンズ「VW-CLT1」を使って撮影した動画など、サイド・バイ・サイド方式の動画であればUSTREAMで配信できるようになるという。

3Dゲームではモバイルパワフルプロ野球3Dなどを配信。文字が二重になっているのは、スクリーンで3D表示をしているから

3Dムービーでは映画シュレックの最新作の予告編をプリインストール

孫社長が大好きというシュレックも登場

多くの3Dコンテンツをプリインストールする

GALAPAGOSではそのほか、電話帳機能が強化され、よく連絡を取る相手のメール、Twitter、通話履歴、写真といった項目がビジュアルで直感的に閲覧できる「TapFlow UI」を搭載する。

なお、003SHでは、音響メーカーBoseの日本未発売ヘッドセット「Bose MIE2 mobile headset」を同梱した「Boseスペシャルパッケージ」を500セット限定で販売する。さらに、「ソフトバンクらしい特徴」(同)として背面のパネルのオプションを用意。基本カラーの3色に加え、10色の「Limited Color」も選択できるようにする。別売となるLimited Color10色は限定だが、各色用意する数量は現在検討中だという。

Limited Colorの10色

10色のカラーの内、上戸さんが選んだのは花柄

松田さんは縦ストライプ

孫社長は横ストライプだった