初の遠出登山

こちら、今回利用したしし岩登山口。駐車場もあり便利

9月に山デビューをし、高尾山御岳山といった電車でいける山を中心に登ってきた筆者。今回は、車でちょっと遠出。山梨と長野の県境付近にある飯盛山(めしもりやま)に行くことにした。今回はハイキング感覚で、約3km、1時間30分ほどのライトなコースを選んだ。

飯盛山のチョイスは、今回案内役をしてくれる山経験豊富な先輩G(男性)によるもの。山経験の浅い私、夏はいつも日傘利用で超色白、どうみてもインドア派な先輩O(女性)が行くということで、ハイキング感覚でも登ることができる飯盛山に決定した。今回は車利用だが、JR清里駅やJR野辺山駅から歩いての登山も可能とのことだった。

こちらが今回の目的地・飯盛山

少し紅葉が始まっていた10月下旬の飯盛山

当日は朝6時半に立川駅に集合。先輩Gに運転させたまま、私は後部座席でバクスイしてしまい、起きたときにはしし岩近くにある登山口(しし岩登山口)の駐車場(トイレあり・ただし冬期は閉鎖)に着いていた。

こちらがしし岩。うーん、獅子に見えなくも、ない? 隣接して駐車場がある

準備をして、10時半頃に「さて、出発! 」と思っていると、先輩Oがおしゃれスニーカーにダウンジャケット、レギンスにミニスカートという格好で歩き始めていた。「えっ、その装備で大丈夫ですか!? 」と心配していると、驚くようなハイペースで登っていく。必死で付いていこうとするのだが、登り始めはやや急な坂道となっており、早くもゼェゼェと息苦しくなる。しかも暑い。ジャケットを脱いで、必死の形相で先輩0についていく私を見かねて、先輩Gが「もっとゆっくり歩いてねー」と声をかけてくれた。た、助かった……。汗をダラダラかく私の目の前を、涼しい顔していつまでもダウンジャケットを着た先輩Oが歩いていく。すれ違う登山者も、彼女の奇妙なファッションに「えっ!? 」と一度は振り返る。

ダウンジャケットにミニスカート、レギンス、おしゃれスニーカーという不思議な服装の先輩O(写真右)

開始早々、しばらくは急な坂が続いていく

急な斜面を登り続けて汗だくの私の前を、依然ダウン着用の先輩Oが

山道は、短い急坂を登り終えると緩やかな道に変わるのだが、雨の影響なのか、溶けた霜の影響なのか、足元はかなりぬかるんでいる。「チョコレートフォンデュだねぇ」などと話しているうちに、40分ほどで平沢山山頂に到着した。

380度見えちゃう(?)平沢山

実は飯盛山より標高の高い平沢山

平沢山は、目的地である飯盛山の隣にあり、10分ほど回り道をするだけで登ることができる。飯盛山の標高は1,643m。平沢山は1,653m。何気に目的地の山より標高が高いのだ。山頂では、50代くらいの女性が携帯通話中。「アンタたちとはぐれて隣の山に来ちゃったわよ。でもね、こっちも380度見えてスゴイよ」と興奮気味。20度分はパラレルワールドにでも行ってしまっているのだろうか。ボケッーっとその様子を見ていると、先輩Gが東側を指差し、「あれがこれから登る飯盛山だよ」と教えてくれた。

平沢山より東側を望む。写真左が飯盛山。その奥には富士山!!

飯盛山はその名の通り、お茶碗にごはんを盛ったようなこんもりとした形が特徴の山。平沢山山頂からは、その形がとてもよくわかる。山頂へと続く一本道もしっかりと目視でき、「これからあの山に登るんだ! 」とテンションも上がってくる。行動食を口にした後、ハイテンションで出発すると、いきなりの急坂。滑りやすい下り坂。ストックを使いつつも、なんとも無様なへっぴり腰で下る私を、サササーッとすばやく下り終え、依然ダウンジャケット着用の先輩Oが見守ってくれている。

こちらが平沢山。写真中央の坂を下っている途中……(下の写真に続く)

「大丈夫? 」と心配そうな先輩O。「平気、平気!!」と笑顔で返答するが、この後、ズザザーッと滑ってしまった。こわっ!!

平沢山から下り終えると、あとは飯盛山山頂へと続くゆるやかな一本道を登っていくだけ。10分ほどで山頂に到着した。それほど広くない山頂は、当初遠足と思われる小学生の団体に占拠されており、満員電車かと思うほどギュウギュウ。しかし10分もすると彼らは下山していき、ほぼ私たちの貸切状態となった。