【今日のCFD】英FTSE100株価指数
比較的堅調な企業決算や米連邦公開市場委員会(FRB)による量的緩和政策への期待感を背景に、債券などの手堅い商品に流れていた投資家のリスクマネーが、9月以降より株式市場へ回帰する流れは今後も続く可能性がある。
ただ、本日はイベント前ということもあり、投資家の慎重姿勢は一層増すと考えられるため、テクニカルで上下のポイントを探ることが重要となろう。
直近のトレンドをエンベロープで探ってみると、チャート上では上値が抑えられているにも関わらず、緩やかな上昇基調を維持していることが窺える。現状、25日移動平均線(5699)に絡む展開となっているため、このままサポート要因として意識され続ければ、再び5800ポイントでの攻防が市場の関心を集めそうだ。
なぜなら、このポイントでの売り圧力は10月25日の長い上ヒゲで確認済みであり、ダブルトップ形成となれば、再び25日移動平均線をトライする動きとなる可能性が出てくるが、突破した場合は、更に上値を試す可能性も出てくるからだ。
基本レンジは25日移動平均線から5800ポイントを想定し、レンジ上抜けた場合は今年最高値5840でダブルトップを形成となるか注目したい。短期レジスタンスラインだけでなく、エンベロープの上限(5841)も重なっていることを考えるなら、その可能性は否定できないだろう。
一方、レンジを下抜ける状況となった場合、短期サポートラインで反転するかがポイントとなるだろう。反転すれば5800もしくは5840を目指す値動きが継続すると考えられるが、下方にブレイクした場合は、売りが加速する可能性がある。というのも、この短期サポートラインと短期レジスタンスラインを組み合わせると、弱気サインのウェッジの形状が出現していると考えることもできるからだ。
仮にそうなら、短期サポートラインブレイク=ウェッジの下限(短期サポートライン)ブレイクということになり、50日移動平均線(5619)もしくは10月12日同様に5600のラインをトライする可能性が高まる。
なお、英株価指数を提供しているFTSE Groupは来年以降、外国企業がFTSE100、FTSE250等の構成銘柄入りをするにあたり、より厳しい基準を課す意向であると英国紙で報じられている。
これが実現するようだと、外国企業はその株式の50%(現在は25%)がロンドンで取引されるか、または英国法人を立ち上げる以外に、FTSE各指数の構成銘柄になれないこととなる。
特にロシアの資源系大手Siberian Coal Energy Company(石炭)やMetalloinvest(鉄鉱石)、Polymetal(金・銀)などロンドン証券取引所で上場や格上げを目指すとされる企業、そしてその計画実行を担う役である金融セクターにも影響がでてくる可能性もあり、資源系セクターの指数インパクトの大きさを考えるなら、今後、英FTSE100の撹乱要因として頭に入れておいた方が良いだろう。